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映画『怪物』考察 あらすじや結末、怪物の正体とは? 鏡文字の謎も解説【ネタバレ】

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#怪物 #考察

あらすじ, ネタバレ, 怪物
出典:Unsplash

※本ページにはプロモーションが含まれています

坂元裕二が脚本を手がけた、是枝裕和の監督作品『怪物』。
第76回カンヌ国際映画祭では脚本賞とクィア・パルム賞を受賞しました。
本記事ではそんな話題作、映画『怪物』を考察。
あらすじやキャスト紹介をはじめ、火事を起こした犯人、鏡文字を書いた理由などネタバレを含む数々の謎も解明していきます。
映画『怪物』について深く考察したい人は必見です。

目次

映画『怪物』の概要

『怪物』は2023年に公開された邦画です。
監督は「万引き家族」をはじめ数々の代表作で知られる是枝裕和、脚本家は「東京ラブストーリー」などを手がけた坂元裕二です。
事の発端は、郊外のとある町で起こった小学生同士の些細な喧嘩でした。
それをきっかけに大人や社会全体までも巻き込む大きな騒動へと発展していく、そんなあらすじの映画です。

映画『怪物』のキャスト・登場人物一覧


映画『怪物』のキャスト・登場人物を紹介します。

麦野早織(安藤サクラ)湊の母親でありシングルマザー
保利道敏(永山瑛太)湊と依里のクラスを担任する教師
麦野湊(黒川想矢)小学5年生で早織の息子
星川依里(柊木陽太)小学5年生で清高の息子
鈴村広奈(高畑充希)保利の恋人
正田文昭(角田晃広)湊と依里が通う小学校の教頭
星川清高(中村獅童)依里の父親
伏見真木子(田中裕子)湊と依里が通う小学校の校長

映画『怪物』に原作はある?

映画『怪物』は坂元裕二が作成したオリジナル作品のため、原作はありません。
原作ではないですが、映画のノベライズ版が販売されているので、考察したい人はそちらを読み込みましょう。
また、読むことで新しい発見があるシナリオブックなども販売されています。
監督や脚本家の思いを知ることで、映画についてさらに理解を深めることができるでしょう。

映画『怪物』ラストシーンで二人は亡くなった?

ネタバレになりますが、映画『怪物』の後半で、台風がきた日の朝に湊と依里は姿を消してしまいます。
ラストシーンで草原を駆け回るような描写もありましたが、やはり二人は亡くなったのでしょうか。
実はラストの二人がどうなったかについて、はっきりと描かれていません。
そのためファンの間でも、亡くなった、まだ生きているという両方の説があります。

ラストシーンで二人が亡くなった説を考察

まずは、映画『怪物』において、ラストシーンで二人が亡くなった説を考察します。
ネタバレもあるのでまだ見ていない人は注意してください。

立ち入り禁止のバリケードが無い

ラストシーンで二人が亡くなった説の信憑性を高めているのが、立ち入り禁止のバリケードが無いこと。
線路には立ち入り禁止の柵があり、湊と依里が立ち入れない場所がありました。
しかしラストシーンではその柵がなくなっていて、草むらを走り回る二人の様子が映ります。
バリケードは生と死の世界を隔てる境界線であり、それがなくなったということは二人の死を暗示しているのではないでしょうか。

苦しみから解放されたように感じる

湊と依里が草むらを自由に走り回る姿は、まるで苦しみから解放されたように見えます。
台風が過ぎ去ったあとも、二人は幸せそうな表情を見せていました。
まるで、辛い現実の苦しみから抜け出したような笑顔が印象的です。
もしも二人が生きていたならば、その先に待ち受ける現実は明るいものではありませんでした。
そんな二人の表情に、笑顔を浮かばなかったのではないでしょうか。

ラストシーンで二人が生きてる説を考察

次に、ラストシーンで二人が生きてる説を考察します。
こちらもネタバレなので、あらすじ以外を見たくない人は飛ばしてください。

二人が見た夢の中だった

ラストシーンで二人が生きていると考察する人もたくさんいます。
台風が過ぎ去った次の日に、廃電車から飛び出した二人が草むらを駆け回るシーンは夢だったのではないでしょうか。
ラストに依里が「生まれ変わったか」、と聞くシーンで、湊は「生まれ変わってない」と答える場面もあります。
台風が過ぎるまで電車の中で寝ていて、夢の中なので立ち入り禁止の柵もなくなっていたのかもしれません。

明るい未来が待っている

あの日立ち入り禁止の柵がなくなったのは、前に進めるという暗示ではないかと思われます。
しがらみを解いて、ありのままの自分で生きられる、これからの明るい未来を示しているという説です。
台風が去った後に二人は元の日常に戻ります。
ラストは世界が生まれ変わるよう、願いを込めて作られた描写だったのではないでしょうか。

【ネタバレあり】映画『怪物』の怪物は誰?

結局、映画『怪物』の怪物は誰だったのでしょうか。
ネタバレありでそれぞれの登場人物にとっての怪物を考察してみます。

早織にとっての怪物

早織にとっての怪物は保利先生です。
早織は湊の言葉を信じ、湊が保利から暴力を振るわれていると思っています。
しかし保利からの「湊が依里をいじめている」という言葉や、ただ謝罪を繰り返すだけの先生たちの態度に納得がいかない早織。
ついに早織は保利を辞職にまで追い込みます。
湊を愛しているが故に、先生たちを怪物と思い込むようになっていったのです。

保利にとっての怪物

保利にとっての怪物は、先生たち、早織、そして湊です。
ある日、学校に乗り込んできた早織から「湊をいじめている」と身に覚えのないことを指摘されます。
保利には、湊が早織に嘘をついている理由がまったくわかりません。
しかし学校の先生たちは、それをなだめるように認めて謝罪をするよう促します。
こうなれば、自分を取り巻く全てが怪物のように感じてしまうのではないでしょうか。

湊にとっての怪物

早織と保利は自分が正しいと思い込み、それ以外のものを怪物だと思っています。
しかし湊にとっての怪物は、自分自身と言えるでしょう。
湊は自分が依里に惹かれていることが納得できず、彼との関係に悩みを抱えています。
その複雑な心情から、ありもしない嘘をつくなどおかしな言動が出てきてしまっていました。
また湊だけでなく、依里もまた自分のことを怪物だと思い込んでいます。

映画『怪物』6つの謎を考察

映画『怪物』の6つの謎を考察してみましょう。
火事の犯人や鏡文字など、気になる点をピックアップしました。

火事を起こした犯人は誰なのか

劇中でガールズバーが火事になっているシーンがありますが、犯人は誰なのでしょうか。
さまざまな視点から考察するに、おそらく犯人は依里です。
まず火事の日、現場近くを通りかかった校長は、依里が着火ライターを落としたのを見ています。
また、猫の火葬で着火ライターを見た湊が「父親がガールズバーにいたから(放火したのか)?」と聞きます。
それに対し依里は「お酒は健康に良くない」と肯定しているかのように答えます。

湊が不自然な行動をしていたのはなぜ?

湊が不自然な行動をとっていたのは、依里に好意を持っている自分に困惑してしまったため。
最初は依里から前髪を触られて切るなど、不愉快な気持ちになっています。
しかし靴を隠された依里にスニーカーを貸したり、いじめられているときに暴れたりと、依里をかばう姿も。
実際、依里の行動を不可解に思っていた保利は二人の作文を読んで、複雑な関係を知るのです。

鏡文字を書いた理由

依里が鏡文字を書いた理由は、学習障害であることを描写しています。
またその鏡文字で、湊との関係をこっそりと作文に記していました。
作文を書くことで、普通ではない自分を認めてほしい、という気持ちを先生に伝えたかったのではないでしょうか。
実際その作文は、保利にさまざまな間違いを気づかせるきっかけとしても書かれています。

校長先生の行動について

スーパーで女の子に足をかけたり、放火の犯人と思われる依里を見逃したりと、校長の伏見にも不可解な行動があります。
こうした行動は校長が交通事故で孫を亡くしたことに関係しています。
女の子に足をかけたのは飛び出して車に轢かれないように、放火の犯人である依里を見逃したのは彼を守りたかったから。
劇中の不祥事をもみ消すような行動も、湊と依里の関係が暴かれるのを防ぐためだったのではないでしょうか。

インターホンのガムテープ

依里の家のインターホンのガムテープは何を意味しているのでしょう。
これは恐らく、依里を虐待している父、清高の仕業です。
清高は学歴主義でいて、アルコール依存症もあり暴力を振るう異常な父親。
同性に惹かれていて男らしくない依里を豚の脳、病気だと決めつけています。
湊を寄せ付けないようにインターホンに×をつけてガムテープでとめていたのでしょう。

映画『怪物』を見る

ここまであらすじやネタバレも含めた考察を紹介しましたが、もう一度見たくなった人もいるのではないでしょうか。
自分なりの解釈で、映画『怪物』を考察しながら見てみてください。

怪物

シングルマザーの早織は、小学5年生の息子の不可解な行動の原因が担任教師にあるのではないかと、学校へ向かいます。
しかし、学校の不誠実な対応に納得できず…というあらすじ。
被害者の母親、加害者である先生、被害者である子供の3視点から描かれています。
この映画の魅力は映像やキャストの演技力にもあるため、簡単なあらすじだけでは伝わりません。
まずは見て、映画『怪物』の考察を楽しみましょう。

この作品のおすすめポイント

子供の複雑な思いと大人たちの正義が交錯していく物語

公開日2023年6月2日
監督是枝裕和
出演安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢
楽天で買う Amazon Prime Videoで観る500円 Amazonで買う3,600円 Yahoo!ショッピングで買う

まとめ

今回はキャスト紹介からあらすじ、ネタバレ解説まで含め、映画『怪物』を考察。
放火の犯人や鏡文字を使う理由など、6つの謎についても詳しく解説しました。
『怪物』には原作はありませんが詳しい描写がわかる映画のノベライズ版と、シナリオブックが販売されています。
作中の誤植や転覆病が意味することなど、さらに細かい部分を知りたい人はぜひ手に入れてください。

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