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『花束みたいな恋をした』を徹底考察! 泣いてる理由が違うことなどを解説

素朴な花束の写真
出典:Unsplash

※本ページにはプロモーションが含まれています

『花束みたいな恋をした』は菅田将暉と有村架純のW主演で描かれた恋愛映画です。
様々な伏線があり、リアルなカップルの様子を描いたこの映画は、見た人が共感するところばかりだったと話題になりました。
大切な人との価値観のズレなど、誰しもが経験したことのあるエピソードが多数登場。
映画を見終わった後に伝えたいことを考察したくなる作品です。

この記事は『花束みたいな恋をした』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

目次

『花束みたいな恋をした』のあらすじ

『花束みたいな恋をした』は菅田将暉が演じる麦と有村架純が演じる絹が主人公の物語です。
2人は井の頭線・明大前駅で終電を逃したことから偶然出会い、そこから5年間、恋人として過ごしていく姿が描かれています。
最初は21歳の大学生だった2人は、共通点の多さから距離を縮めていき、恋愛関係に発展。
順調な2人はやがて就職活動の時期を迎えます。
麦は就活をせず夢に向かい、絹は面接でひどく傷つき、麦と絹は同棲することを決意します。
やがて2人は就職をするも、大人の世界に飛び込んだ2人の中には次第にすれ違いが生まれていきます。

『花束みたいな恋をした』の魅力

『花束みたいな恋をした』の魅力としてよく声が上がるのは共感です。
映画の中には多種多様のポップカルチャーが登場。
それらは映画用に作られたものではなく現実社会に存在しているカルチャーが引用されています。
さらには、学生時代の自由さから就職をして時間が限られた2人のすれ違いは、環境の変化で生じるカップルのあるあるが描かれていることから共感する人も多いと言えます。

【考察】登場するカルチャーの意味・伏線とは?

『花束みたいな恋をした』の中には様々なカルチャーが登場し、そのカルチャーには意味が込められていたり、伏線として使用されていたりします。

押井守

押井守は、『攻殻機動隊』などを代表作とする映画監督です。
麦と絹が終電を逃した際に、居合わせた4人で居酒屋に出向きます。
4人は映画の話になり、盛り上がっている時、麦と絹だけが押井守が同じ店にいることに気づくのです。
これは麦の絹が同じものを見て、目線が同じであることを表現しています。

きのこ帝国の『クロノスタシス』

居酒屋をでた麦と絹は、カラオケに向かいます。
そこで2人が歌った歌が、きのこ帝国の『クロノスタシス』という曲。
クロノスタシスは、時計が止まって見えることを意味しており、麦と絹が出会い、時が止まったと感じるほどに仲を深めていることを意味しています。

愛猫バロン

愛猫バロンは、麦と絹が同棲している時に一緒に暮らしている黒猫です。
初詣で拾った時のバロンはまだまだ子猫でしたが、映画の中で時間が進むに連れてバロンも成長して大きくなっていきます。
バロンは映画の中で時の流れを感じさせる役割をしています。

焼きそばパン「木村屋」

「木村屋」は、麦と絹が同棲を始めてから見つけた近所にある焼きそばパンの美味しいパン屋さんです。
お店を見つけた時、2人は喜びますが、時間が経ち木村屋は閉店。
絹は麦に木村屋が閉店したことを連絡します。
そこで麦が別のパン屋で買えばいいと返信をしたことですれ違いがあることを表しています。

Awesome City Club

Awesome City Clubは麦と絹がよく行くファミレスにいたお姉さんがやっているバンドの名前です。
このバンドは段々と注目されて売れていきますが、その様子がイラストレーターとして衰退していく麦との比較として用いられています。

今村夏子『ピクニック』

映画の中で麦と絹が好きな小説家としてあげているのが今村夏子です。
その中でも、話に上がるのは『こちらあみ子』の中に出てくる『ピクニック』で、色んな場面に登場しています。
『ピクニック』から引用したセリフが2回登場しますが、その2回で2人のすれ違いが起こっていることを意味しています。

『宝石の国』

市川春子が描いた漫画「宝石の国」はすれ違いが起きる前の2人が読み、涙を流すほど感動した作品として描かれています。
しかし、就職をしてから作品に対しての思いが変わってしまう2人。
共感できるものが減っていることを意味しています。

『人生の勝算』

本屋さんで、絹は2人の好きな小説家である今村夏子の新作を手に取ります。
ですが、麦は「人生の勝算」というビジネス書に興味を持っていました。
このシーンでは2人の価値観や、やりたいことが変わってきていることを意味しています。

『ゴールデンカムイ』

『ゴールデンカムイ』は野田サトルの描いた漫画です。
この漫画のあるシーンで2人は意気投合。
同棲した家にも1巻ずつ揃えていきます。
1巻ずつ増えていく様が時間の流れを表し、読み進める絹と読む時間すらない麦を描くことで、温度差が生まれていることを意味しています。

パズドラ

これまで麦と絹は2人で映画や小説、漫画を一緒に楽しんできました。
しかし、趣味を楽しみ続ける絹とは対照的に、就職をして時間に追われている中で麦はパズドラしかやる気にならないと、他のことを楽しむ余裕がないことを意味しています。

ジョナサン

ジョナサンは、麦と絹が付き合う時に告白をした場所でもあり、ラストに向かう中で別れ話をした場所でもあります。
ファミレスに様々な思い出がある人は少なくないでしょう。
ジョナサンで告白や別れ話をする麦と絹に共感ができる場面になっています。

【考察】絹は浮気した?

『花束みたいな恋をした』の考察として、よく上がっているのが絹が浮気をしたかどうかです。
怪しい場面として加持さんと2人になった後の電車で麦と偶然あった際、絹は愛想笑いをします。
気まずさを隠すための愛想笑いだったのではないかと言われています。
見た人によって考えが違うので、絹は浮気をしたのかにも注目をしてみてください。

【考察】ラスト:2人が泣いてる理由が違う?

映画の中ですれ違いが生まれた時、絹はこれまで通り趣味を楽しんでいます。
しかし、麦は趣味を楽しむ事ができなくなっていき、それがすれ違いとして2人の間の溝を深めていったのです。
このことからラストで別れる時に泣いている理由が違うと考えられます。
好きだった麦が変わった悲しみで涙する絹と、守りたかった2人の幸せな生活がもう戻ってこないと察した麦の違いがあったのではないでしょうか。

【考察】はな恋が伝えたいことは? 花束の意味とは

『花束みたいな恋をした』は、学生だった2人が大人になっていく恋愛模様が描かれています。
学生時代の未熟さは大人になり、成熟していきます。
成熟していく過程や成熟したあとに行き着く場所は人によって様々あるため、これといった正解はないと考えられます。
タイトルの花束は誰もが抱える未熟さを意味しているのではないでしょうか。

『花束みたいな恋をした』を観よう

大学生から社会人になっていく2人の恋愛模様を描いたこの映画は、成長と共に生じるズレを描いています。
リアルで共感するシーンも多いので、見終えた後、考えさせられる作品です。

花束みたいな恋をした

終電を逃したことで偶然出会った麦と絹は、お互いに共通点が多いことから、自然に恋愛関係へと発展していきます。
時間に余裕があり、恋愛を全力で楽しんでいた学生時代から大人への階段をのぼるために就職活動など荒波に揉まれていく流れが描かれます。
就職をして、共通点の多かった2人は共感できるものが減っていき、次第に2人の間に溝が生まれ、別々の道を歩んでいきます。

この作品のおすすめポイント

菅田将暉と有村架純の高度な演技力も見どころの作品です。

公開日2021年1月29日
監督土井裕泰
出演菅田将暉、有村架純、清原果耶
楽天で買う Amazon Prime Videoで観る2,500円 Amazonで買う2,783円 Yahoo!ショッピングで買う

ノベライズ 花束みたいな恋をした

映画『花束みたいな恋をした』を小説にしたノベライズ本です。
映像から繰り出される時の流れや目で見える描写とは違い、文字で紡がれる2人のすれ違いや感情の些細な変化は、映画とは違った面白さがあります。
文字で話を読んでいくことで、頭の中で物語をよりリアルに想像する事ができ、まるで実体験のような感覚になれる1冊です。

この作品のおすすめポイント

映像よりも小説で読むのが好きな人におすすめの切ない恋愛小説です。

発行日2021年1月4日
出版社リトル・モア
著者坂元裕二(原作)、黒住光
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まとめ

『花束にみたいな恋をした』は2021年に公開され、リアルで共感ができる切ない恋愛映画として話題になりました。
恋愛に全力だった若さが残る甘酸っぱい幸せな時間から、就職をしたことで大人になっていく2人が描かれています。
就職をして社会の荒波に揉まれていく2人は、自然とすれ違っていき、人生の方向も違っていきます。
一緒にこれからも過ごしていくのか、別れるのか、大切なものは何なのかを考えさせられる作品です。

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