短編小説おすすめ16選 スカッとする話や恋愛話、笑える話など名作の短編集を厳選
通勤や通学中などすきま時間に読みやすい「短編小説」。
長編小説を読む時間がないけれど、本が読みたいというときに短編小説はおすすめです。
しかしひとくちに短編小説といっても、スカッとする話やほっこりする小説、笑える話、ミステリーなどジャンルは様々。
そこで今回は、おすすめしたい短い小説の特集です。
新人賞や山本周五郎賞の候補になった作者の話題になった作品やおすすめランキングも紹介します。
ぜひ、チェックしてみてください。
面白い話が多い短編小説とは
短編小説とは、400字詰め原稿用紙が100枚以下程度の短い小説です。
一般的に短編小説は、複数の話を収録した短編集として書籍化されます。
短い小説の中に起承転結が上手く入って、面白い話や傑作が多いといわれています。
短い小説・短編集を選ぶポイント
短い小説・短編集は種類が多く、どれを手に取るとよいか悩むときもあるでしょう。
おすすめの選び方を紹介します。
スカッとする話や笑える話、恋愛などのジャンル
ジャンルは、短い小説・短編集を選ぶときの参考になります。
自分の興味のあるジャンルは読みやすく、興味を持ちやすいです。
例えばほっこりする小説なら『三匹のおっさん』、スカッとする小説なら『5分後にいい気味なラスト』、ミステリーなら『我らが隣人の犯罪』など複数の短編集を用意しておき、気分によって読むこともおすすめです。
中学生、大人向けなど共感しやすいもの
短編小説を自分の年代が共感しやすいかという視点で選ぶこともよいでしょう。
登場人物の心情を理解しやすくなり、短い小説であっても読みやすいです。
例えば中学生には女子高生の恋愛を描いた『放課後の音符(キイノート)』がおすすめできます。
東野圭吾など作家で選ぶ
作家名で短編集を選ぶことも、おすすめです。
著名な作家作品を読むと、話のネタになります。例えば東野圭吾の『怪笑小説』は、短い話が9編収録されています。
長編を読む時間はないけれど東野圭吾の世界を満喫したいときに、チェックしてみてください。
山本周五郎賞や新人賞を取っている名作小説
山本周五郎賞や新人賞の受賞作品は、面白い作品や名作が多いです。
山本周五郎賞は物語性の高い小説に贈られる賞。山田太一『異人たちとの夏』や米澤穂信の短編集『満願』などがあります。
話題の新人賞作品も、面白い作品を探してみるとよいでしょう。
海外小説入門としても
海外小説にチャレンジしたいときにも、短編小説がおすすめです。
名作の海外小説を読むと、外国の文化や考え方が学習できるでしょう。
まずはカフカ『変身』やヘミングウェイ『老人と海』など面白いと支持され続ける傑作の短編小説を読んでみるとよいでしょう。
【100人に調査】おすすめの短編小説ランキング
ブックスコレクションでは、小説好き100人にアンケート調査を実施。
おすすめの短編小説について、回答してもらいました。
ランキング1位は有川浩『三匹のおっさん』、2位はフランツ・カフカ『変身〜カフカ短篇傑作集〜』。
3位は奥田英朗『イン・ザ・プール』という結果になりました。
読みやすく、深く考えさせられる作品がランクインしています。
さらに、ブックスコレクションでは、上記作品を選んだ理由についても聞きました。
以下、ランキング1位から3位までの回答を抜粋しています。
作品名 | 選んだ理由 |
---|---|
1位 有川浩『三匹のおっさん』 | 「毎日が日曜日とは自分の父も退職後言っていたのを思い出しながら、笑えて面白いけれど、自分もあと20年もしたら旦那とそんな暮らしになるのかな、と自分の将来と照らし合わせる楽しさがあるから」 |
「すかっとするし、登場人物たちがなんだか可愛くて魅力的だから」 | |
「三人の個性的な特技を持つおっさんたちが悩みや事件を解決する様は見てて爽快で好きです」 | |
2位 フランツ・カフカ『変身〜カフカ短篇傑作集〜』 | 「人間の心の闇に焦点を当てた作品が多く、興味深く読み進めることができた」 |
「なんだかよくわからないような、ミステリアスなような、シュールなような、独特な雰囲気がある文章に惹かれるから」 | |
「難解だが、自分なりに考察をするのが楽しい作品だから」 | |
3位 奥田英朗『イン・ザ・プール』 | 「短編集でも毎回必ず現れる人物を「医者」というポジションにすることで違和感なく読み進めることができるから」 |
「独特な世界観と非日常感のある登場人物たちの行動や言動に引き込まれていくから」 | |
「病気についての理解が深まるだけではなく、個性的な登場人物と話を楽しめるから」 |
・調査対象:小説好き100人
・調査期間:2023年6月
・調査方法:インターネットによる対象者へのアンケート
・調査機関:ブックスコレクション編集部
【スカッとする小説・笑える話】傑作短編小説おすすめ4選
ここからは、ジャンル別におすすめの傑作短編小説を紹介します。
まずはスカッとする小説、笑える話、面白い話をチェックしましょう。
5分後にいい気味なラスト
『5分後にいい気味なラスト 5分シリーズ』は、後輩の結婚式に参加した私の話をはじめ最終的にスカッとする話を集めた短編集です。
短い時間に起承転結のあるスカッとする話が10編も収録されていて読み応えがあります。
小説投稿サイトに投稿された短い小説の中で、とくに名作が厳選されて選ばれている点が魅力的です。
短編小説とは何か知りたい人やすきま時間でスカッとする話を楽しみたい人におすすめできます。
短時間で気分展開したい人におすすめのスカッとする小説
発売日 | 2019年7月22日 |
出版社 | 河出書房新社 |
著者 | エブリスタ |
三匹のおっさん
『三匹のおっさん』は、還暦を迎えた3人の男性が自警団を結成し、地域の問題に切り込むという短編集です。
テレビドラマ化もされています。
スカッとする話やほっこりする話、笑える話など様々に楽しめる点が魅力的です。
作者の有川浩は山本周五郎賞や吉川英治文学新人賞の候補に選ばれたことがある実力派。
著名な作家の名作が読みたい人におすすめです。
短いほっこりする小説を読みたい人におすすめの作品です。
発売日 | 2012年8月3日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 有川浩 |
怪笑小説
『怪笑小説』は、老女がひょんなことから芸能人に夢中になり財産を失う話をはじめ9編の短編集が収録されています。
作者は吉川英治文学新人賞やバリー賞新人賞候補に選ばれている東野圭吾です。
ブラックジョークのような笑える話やミステリーに感じられる短い小説など切れ味のある話の数々に、スカッとする小説です。
東野圭吾に興味のある人におすすめできます。
ミステリー以外の東野圭吾作品に興味がある人必見の、スカッとする小説
発売日 | 1998年8月20日 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 東野圭吾 |
イン・ザ・プール
『イン・ザ・プール』は、型破りな精神科医と彼を訪れる患者のやりとりが面白い作品です。
5編が収録されていて、実写映画やアニメになった短い小説もあります。
主人公の精神科医の考え方が型破りで、笑える話も多い名作です。
筆者の奥田英朗は、「このミステリーがすごい!」にランクインした実力派。
話題になっている短編小説が読みたい人におすすめです。
精神科医とは思えない、破天荒な主人公の仕事っぷりにスカッとする小説
発売日 | 2006年3月10日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 奥田英朗 |
【恋愛】 傑作短編小説おすすめ3選
ここでは短編の恋愛小説を紹介します。
文学賞選考委員を経験したことのある作家の作品など、名作と評価されている作品を厳選しました。
放課後の音符(キイノート)
『放課後の音符(キイノート)』は、語り手の女子高校生が大人の恋愛を経験した友人の話にほっこりしたりドキドキしたりする短編集です。
8編収録されていて、様々な恋愛模様が楽しめるでしょう。
作者の山田詠美は、山本周五郎賞の選考委員経験があります。
日本文学を牽引してきた作家の恋愛作品を短編小説で気軽に楽しめる点が魅力的でしょう。
恋愛に興味を持ちだした中学生にもおすすめできる作品です。
高校生の瑞々しい恋愛が追体験できる傑作短編小説です。
発売日 | 1995年3月1日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田詠美 |
百瀬、こっちを向いて。
『百瀬、こっちを向いて。』は、先輩の二股をごまかすために恋愛経験のない僕が先輩の浮気相手と恋人のふりをする短い小説が入った短編集です。
『百瀬、こっちを向いて。』は映画化されている点が魅力的です。
短編小説とはよく分からないという人は、映画を先に視聴してから読み進めることもよいでしょう。
作者は何度か山本周五郎賞の候補にもなった中田永一。中学生から大人まで楽しめる面白い短編小説です。
主人公が恋愛を知る様子が追体験できる中学生におすすめ作品です。
発売日 | 2010年8月30日 |
出版社 | 祥伝社 |
著者 | 中田 永一 |
アイネクライネナハトムジーク
『アイネクライネナハトムジーク』は、6編の短編が収録された短編集。
さまざまな時間軸で描かれる、日常の小さなストーリーが少しずつ繋がっていきます。
登場人物の出会いと別れなどが絡み合いながら進んでいくので、パズルのピースがハマっていく感覚を楽しめるでしょう。
伊坂幸太郎作品のなかでは珍しい、ほっこりする恋愛小説です。
時系列を行き来する、登場人物たちのストーリーが1つになる短編集
発売日 | 2014年9月26日 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 伊坂幸太郎 |
【感動・ほっこりする小説】 傑作短編小説おすすめ2選
ほっこりする小説の短編集は、気が落ちたときでも手に取りやすいのが魅力です。
ここでは江國香織や重松清などの名作家が手掛けたほっこりする小説や感動する小説を紹介します。
デューク
『デューク』は、12月に愛犬デュークを失った私が少年と出会い気持ちを整理するという短い小説です。愛犬を失ったことがある人は、共感できる部分が多い魅力的な短編小説でしょう。
作者の江國香織は、山本周五郎賞候補に選ばれたことがある有名な作家です。
中学生から大人の有名作家の作品を気軽に読みたい人、感動できる短い小説を探している人におすすめです。
感動する短編小説とは何かに興味のある人におすすめです。
発売日 | 2000年11月8日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 江國香織 |
その日のまえに
『その日のまえに』は、余命宣告をされた妻に寄り添う夫や息子を描いた短い小説を含む感動する7編の小説が入っています。
多くの人が直面する家族の死を描いた短い小説は、生きるとは何かを改めて考えさせてくれます。
数多くの傑作を生み出してきた重松清の作品を短編小説で読めるところが魅力的といえるでしょう。
命の大切さを中学生頃から教えたいというときにおすすめの短編小説です。
家族を大切にしようと感じさせてくれる感動的な短編集です。
発売日 | 2008年9月3日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 重松清 |
【ミステリー】 傑作短編小説おすすめ4選
ミステリーの中には一度ではなかなか読み解けない難解な作品も多いですが、短編なら初心者でも読みやすいです。
宮部みゆきや東野圭吾など、ミステリーの第一線で活躍し続ける作家たちの傑作短編を紹介します。
我らが隣人の犯罪
『我らが隣人の犯罪』は、主人公の中学生が引っ越し先で隣人のペットの鳴き声に悩まされ、隣人のペットを誘拐するというミステリー短編小説を含む5編が収録されています。
本作品は、ミステリー作家宮部みゆきのデビュー作という点が魅力です。
面白い話も多く、ミステリー初心者にも最適です。
数多くの傑作ミステリーを生み出した作者が初めて公表した短編小説とはどのような内容か知りたい人におすすめです。
子供から大人まで楽しめる笑える話もあるミステリー作品です。
発売日 | 1993年1月9日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 宮部みゆき |
犯人のいない殺人の夜 新装版
『犯人のいない殺人の夜 新装版』は、全7編収録されているミステリー短編集です。
表題の『犯人のいない殺人の夜』は、突発的な殺人事件を起こしてしまった岸田家が舞台。
長男と事件を隠蔽しようとする家庭教師の様子が描かれています。
海外でも注目を集めている日本ミステリー界の重鎮東野圭吾の作品が、気軽に読める点が魅力的といえるでしょう。
ミステリー短編小説とは何か知りたい人におすすめです。
ミステリー小説らしい心理戦も楽しめるおすすめ作品です。
発売日 | 2020年2月5日 |
出版社 | 光文社 |
著者 | 東野圭吾 |
満願
『満願』は、第27回山本周五郎賞受賞作品で、6編収録されています。
表題の『満願』は、弁護士の私が若い頃お世話になった下宿先の女性が犯した殺人事件の弁護をするという内容です。
私が知っている女性と公判に臨む女性の姿が、少し違うことに気がつく私。
短い小説ですが、本格的なミステリーが楽しめる点が魅力的といえます。短期間に読めるミステリーの傑作を探している人におすすめです。
短い話の中にも本格的なミステリーの要素が感じられる短編集です。
発売日 | 2017年8月1日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 米澤穂信 |
シャイロックの子供たち
『シャイロックの子供たち』では、東京第一銀行長原支店の支店を舞台に、支店に勤める人の短編の物語が展開されます。
銀行のなかでさまざまな事件が起こりますが、次々に意外な事実が明らかになるミステリーです。
それぞれの短編がやがてひとつに繋がるところが面白いポイント。
元銀行員の作者だから描けるリアルな銀行員のストーリーで、映画化もされた短編小説です。
群像劇からミステリーになる、どんでん返しの結末も見逃せない短編小説
発売日 | 2008年11月7日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 池井戸潤 |
【海外】傑作短編小説おすすめ3選
海外の短編小説は、洋書初心者の人におすすめです。
ここでは洋書に苦手意識がある人でもあっという間に読める読みる、傑作短編小説を紹介します。
変身 ~カフカ短篇傑作集~
『変身 ~カフカ短篇傑作集~』は、ある朝気がつくと虫になっていた男の悲劇を描いた面白い話「変身」をはじめ現在のチェコ出身の小説家フランツ・カフカの短編小説が満喫できる短編集です。
短い話が5編も収録されていて、フランツ・カフカの入門書として魅力的。
有名な「変身」に興味がある人や初めて海外の作品に触れる中学生にもおすすめです。
日本の作家にも大きく影響を与えた「変身」が収録されています。
発売日 | 不明 |
出版社 | 不明 |
著者 | フランツ・カフカ |
エレンディラ
『エレンディラ』は、コロンビア出身のノーベル賞作家ガルシア=マルケスが書いた短編集です。
6つの短編と1つの中編の面白い話が収録されていて、読み応えがあるところが魅力的といえるでしょう。
短編の1つ「この世で一番美しい水死人」は、美しい水死体に魅了される村人が描かれています。
長編を読む時間はないものの、ガルシア=マルケスが気になる人におすすめです。
大人向けの童話をテーマに書かれた短編が楽しめる作品です。
発売日 | 1988年12月1日 |
出版社 | 筑摩書房 |
著者 | G.ガルシア=マルケス |
車輪の下
『車輪の下』は、天才少年ハンスが周囲からの期待にストレスを感じ、自滅してしまうというあらすじです。
作者はドイツ出身のヘルマン・ヘッセで、「車輪の下」は自伝小説といわれています。
学校や社会について考えさせられる点が魅力的といえるでしょう。
海外の短編小説の中でも傑作と呼ばれている作品が読みたい人や笑える話よりも暗い話が好きな人におすすめです。
読書感想文の題材として選ばれることが多い有名な作品で不朽の名作
発売日 | 1951年12月4日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | ヘルマン・ヘッセ |
まとめ
今回は、おすすめの短編小説やランキングを紹介しました。
短編小説は、ほっこりする小説、笑える話や面白い話から感動する話までジャンルも様々です。
短編集である作品も多く、空いた時間を利用して様々な世界に触れられます。
新人賞候補にもなった著名作家の短編小説も多く、長編小説にはない作者の魅力も感じられるでしょう。
短編小説とは何か知りたい人、今回紹介した中で気になった短編小説があった人は、この機会に手に取ることをおすすめします。
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