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映画『ゴーン・ガール』を徹底考察 タイトルの意味や実話かどうかも解説

a person holding a pink heart shaped piece of paper
出典:Unsplash

※本ページにはプロモーションが含まれています

ミステリー作家、ギリアン・フリンによる同名小説を原作とする『ゴーン・ガール』。
『セブン』などのヒット作で知られる、デヴィッド・フィンチャー監督が映画化しました。
本作を視聴した人の中には、タイトルに込められた意味や実話かどうかなど、作品背景に興味を持った人も多いでしょう。
この記事では、結末までのネタバレ込みであらすじ解説や考察を行い、実話かなどの作品背景についても解説します。

この記事は『ゴーン・ガール』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

目次

『ゴーン・ガール』の主要キャスト

『ゴーン・ガール』に登場する主要キャラクターを紹介します。
本作に出演している俳優の中で気になるキャストがいれば、代表作を追って見るのもおすすめです。

エイミー・ダン

サイコパス妻、エイミーを演じたのは、イギリス出身の女優、ロザムンド・パイクです。
作中、エイミーはハーバード大学を卒業していましたが、ロザムンド本人もオックスフォード大学を優秀な成績で卒業した才女。
殺害シーンの役作りとして、豚の死体を練習台にしたという仰天秘話を後に語っています。

ニック・ダン

主人公でエイミーの夫役、ニック・ダンを演じたのは、ベン・アフレック。
幼いころから子役として活動していたベンは、俳優としてはもちろん脚本家、監督としても多彩な才能を発揮してきました。
本作では、チャラくてだらしないダメ夫ぶりを熱演しています。

デジー・コリングス

ラストでエイミーに首を切られて殺されてしまった、デジー・コリングスを演じていたのは、ニール・パトリック・ハリス。
代表作には、『スターシップ・トゥルーパーズ』、『スマーフ』シリーズなどがあります。
映画以外にも、ドラマや舞台の世界でも幅広く活躍している俳優です。

【ネタバレ】 『ゴーン・ガール』のあらすじと結末

ネタバレありで、『ゴーン・ガール』のあらすじをまとめました。
考察に入る前に、あらすじを読んで作品の流れを整理しましょう。

妻の失踪

ニックとエイミーは、結婚5周年を迎える夫婦。
エイミーはNY育ち、ハーバード大卒の美女です。
彼女は自身の親による著書、『アメイジング・エイミー』のモデルとしても有名で、現在はライターとして活躍しています。
そんなエイミーとニックが出会ったのは、とあるパーティーでのこと。
エイミーと同じくライターとして活動していたニックは、美しく知的なエイミーに一目惚れします。
二人は熱愛の末に結婚しますが、結婚5周年を迎える今では二人の関係は冷え切っていました。
そして結婚5周年を迎えるまさに当日、エイミーは失踪してしまいます。
室内には荒らされた形跡があったことから警察は事件性を疑い、捜査に乗り出します。
しかしニックは妻が失踪中というのに妻を心配する様子がなく、捜査にもあまり協力的ではありません。

妻の罠にはまり、夫大ピンチ!

捜査が始まると、警察はニックがエイミーの仕事や私生活ことを知らないことに違和感を覚えます。
そしてニックと警察は下着の引き出しから「ヒント1」と書かれた手紙を発見。
ヒント1をたどるとヒント2、ヒント3も見つかり、ニックと警察はエイミーの罠にはまっていきます。
またエイミーの周りには元ストーカーや、暴行を加えた男性がいたことが発覚しますが、彼らが犯人という有力な証拠は見つかりません。
やがて警察はニックがエイミーに巨額の保険を掛けていたことを知り、ニックによる保険金殺人を疑うように。
一方、エイミーの両親とニックは、失踪直後、エイミーの情報収集のため記者会見を開きます。
しかしニックのスピーチはたどたどしく、本気で妻を探したいという熱意がうかがえません。
その後エイミーが妊娠中なのにニックが不倫をしていたことが世間に晒されると、ニックは全米を敵に回してしまいます。

妻が見つかり、ハッピーエンド!?

ここからはネタバレになりますが、失踪事件はエイミーの自作自演でした。
エイミーはニックの不倫を知っていて、夫の不甲斐なさにうんざりしていたのです。
そんな夫に罰を与えるため、失踪を装い夫を殺人犯に仕立て上げようとしていました。
しかしエイミーは失踪中、逃亡費用を盗まれ、やむなく元ストーカー、デジー・コリングスにかくまってもらうことに。
一方のニックは自分が妻の罠にはまったことに気付き、冤罪で死刑になってしまうと焦ります。
そこでエイミーに戻ってきてもらうため、ニックはTVで「愛人がいたこと、全て自分が悪い」と告白。
放送を見て心を動かされたエイミーはデジーを殺害し、ニックのもとに戻ります。
ニックはエイミーが殺人を犯したことに気付きますが、妻のサイコパスぶりを恐れ仮面夫婦を演じ続けます。
そしてエイミー不妊治療中に採取したニックの精子を使い、勝手に妊娠するというまさかの結末を迎えます。

『ゴーン・ガール』のモデルとなった実話事件

『ゴーン・ガール』は実話ではありませんが、2002年にアメリカで発生した実話事件スコット・ピーターソン事件を題材にしています。
被害者のレイシーは妊娠8ヶ月で失踪。
夫のスコットは当時、無実を主張していましたが警察はスコットを疑っていました。
その後、スコットの浮気が発覚するとレイシーの両親は記者会見でスコットを擁護する主張を撤回。
最終的にスコットは殺害容疑で逮捕され死刑判決を受けました。

エイミーの正体をネタバレ考察

エイミーの正体をネタバレありで考察します。
エイミーの子供時代に視点を向けると、夫を陥れた彼女の心理や結末が理解できるでしょう。

エイミーの犯行動機

ネタバレになりますが、エイミーの犯行動機は、ダメ夫ニックに罰を与えることでした。
結婚当初のニックは優しく頼りがいのある、エイミーにとって理想的な男性でした。
しかし今ではエイミーを邪魔者のように扱い、若い巨乳の教え子と浮気までし、夫としての役割をすっかり放棄しています。
エイミーはそんな夫に社会的な制裁を与え犯罪者に仕立て上げることで、罪を償わせようとしました。
エイミーにとって自分を大切にしない夫は、犯罪者同然だったのです。

エイミーがニックのもとに戻った理由

エイミーがニックのもとに戻ったのは、TV番組でニックが正直に不倫した事実を謝り、エイミーへの愛を伝えたからです。
実際、TV番組で語ったことはニックの本心ではありませんでした。
しかしエイミーは、再び夫の役割を果たそうとしているニックの姿に心を打たれました。
頭の良いエイミーは、ニックのスピーチが演技であることに気付いていたはずです。
しかしエイミーにとってはそれが本当かどうかよりも、「役割を演じる」ということが重要だったのだと考察できます。

全ては「アメイジング・エイミー」になるため

エイミーにとって人生の最大の目的とは、「アメイジング・エイミー」になることだったと考察できます。
「完璧な女性」になるためなら、仮面夫婦を演じることも、人を殺すこともエイミーは厭いません。
エイミーの人生には最初から親が作った台本があり、少女のころからエイミーはその上を歩いてきました。
そんなエイミーにとってニックは「アメイジング・エイミー」を支える脇役にすぎず、エイミーはニックの気持ちを全く考えていません。
エイミーがサイコパスに見えるのは、彼女の人生が自分中心に回っていて、周りの人を駒のように扱っているからです。

『ゴーン・ガール』というタイトルの意味とは?

タイトルGone Girlには「失踪した女性」という意味がありそうです。
しかしGirlには小娘というニュアンスの意味があり、成人女性に使うのは違和感があります。
Girlが意味しているのは、サイコパス妻としてのエイミーではなく、可憐な「アメイジング・エイミー」かもしれません。
タイトルからは、ニックが愛したエイミーはもういなくなってしまったという意味がうかがえます。

『ゴーン・ガール』が描く結婚の本質

『ゴーン・ガール』が描く結婚の本質とは、「役割を演じること」だと考察します。
エイミーとニックの結婚生活が上手くいかなかったのは、ニックが夫としての役割を放棄したからでした。
そして皮肉なことに、ニックが本音を殺し、良い夫を演じ始めたことで二人の関係は良好になります。
作品の中盤、エイミーの「お互い別人を演じて幸せだった」というセリフがあります。
お互いにお互いが望む理想の相手を演じたことで、二人の関係は続いていたのです。
結婚生活に大切なものは愛だけでなく、役割を果たす責任ということを本作は教えてくれます。

映画『ゴーン・ガール』を見る

映画、『ゴーン・ガール』を観られる、視聴リンクを掲載しています。
あらすじやネタバレ考察を知ったうえで、ぜひもう一度観てみてください。

『ゴーン・ガール』

結婚というシステムを冷たい視点で覗き込んだ、サスペンス映画、『ゴーン・ガール』。
実話事件、スコット・ピーターソン事件をモデルにした作品です。
サイコパス妻の手の中で転がされるダメ夫の立ち回りが面白く、恐怖を通り越してブラックコメディとして楽しむこともできます。
結末はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか見る人によって捉え方が変わるでしょう。

この作品のおすすめポイント

実話事件をモデルに、ギリアン・フリンの同名小説を映画化した作品

公開日2014年12月12日
監督デイビッド・フィンチャー
出演ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス
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まとめ

今回は『ゴーン・ガール』のあらすじを踏まえて、エイミーの正体やタイトルの意味などについてネタバレ解説しました。
『ゴーン・ガール』は実話ではないですが、実際の事件に基づいていてサイコパスの心理や夫婦の形をリアルに描いています。
ダメ夫のあるあるや、サイコパス妻が招いたまさかの結末など面白いシーンも満載で、サスペンス映画ですが最後まで楽しく視聴できるのも本作の魅力です。

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