映画『オールド(OLD)』をネタバレ解説! あらすじや結末、伏線についても考察

ホラーの鬼才と評される、シャマランが監督、脚本、制作を手掛けた、映画『オールド(OLD)』。
グロい描写に目が行きがちな本作ですが、実は結末まであちこちに伏線が仕込まれていました。
この記事では、ネタバレありで『オールド(OLD)』のあらすじ紹介や伏線などの考察を行います。
最後には、『オールド(OLD)』が視聴できるリンク先も掲載しているので、もう一度観たい人はぜひチェックしてください。

この記事は『オールド(OLD)』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

【ネタバレあり】映画『オールド(OLD)』のあらすじ

映画『オールド(OLD)』のあらすじをネタバレありで解説します。
ポイントだけ掻いつまんで解説しているので、考察に入る前のおさらいとして読んでください。

1日で48年が経つ、不思議なビーチへ迷い込む

家族旅行で南国のリゾートに訪れた、キャパ家。
楽しいひと時もつかの間、長男のトレントは異常なスピードで腐敗する奇妙な漂流死体を発見します。
そこから数時間後、ビーチにいた人たちは急激に老化しだします。
そこは楽園なんかではなく、1日で48年が経つ死のビーチだったのです。

【ネタバレ注意】黒幕はまさかの…..

老化を止める方法は見つからぬまま、ビーチはパニック状態に。
そんな中トレントとマドックスはビーチの謎について書かれたあるノートを見つけ、何とか脱出を試みようとします。
ネタバレになりますが、このビーチは製薬会社が作った新薬治験施設で、一家は新薬の治験者としてリゾートに招かれていました。
通常は長い時間をかけて行う治験を数日で終わらせて、一生分の効果を検証するのが製薬会社の狙いだったのです。

【ネタバレ注意】結末はハッピーエンド?

キャパ家の両親は老衰のため亡くなり、キャパ家以外の人も次々に死亡。
ネタバレになりますが、最後に生き残ったのはトレントとマドックスでした。
二人は何とかビーチを脱出し、ホテルにいた警察に保護されます。
事件性を疑った警察はホテルを捜査することに決め、一件落着。
しかしビーチを訪れた時まだ子どもだった二人は、既に中年になっていました。
最後は、ハッピーエンドとはいえない胸クソな結末でした。

【ネタバレ】『オールド(OLD)』に散りばめられた伏線を解説

映画『オールド(OLD)』には結末につながる重要な伏線が、作中の随所に散りばめられていました。
ここでは一つひとつの伏線をネタバレありで解説していきます。

伏線1. ウェルカムドリンク

チェックイン後、ホテルで振る舞われたウェルカムドリンクには、密かに治験薬が入っていました。
「それぞれの好みに合わせて作った」と言葉巧みに渡されていましたが、これは一人ひとりに違う治験薬を飲ませるための言い訳でした。
要は、ホテルマネージャーやドリンクを渡したスタッフも全員グルだったのです。
一家はまんまとホテルの罠にはまり、知らないうちに治験薬を飲まされていました。

伏線2. アナミカリゾートの意味

リゾートの名前、「アナミカリゾート」にも伏線が隠されていました。
アナミカはヒンドゥー語で、「何もない」という意味。
「何もないリゾート」というのはホテルの名前としては変なので、ヒンドゥー語を知っている人なら違和感に気付けたかもしれません。
ホテルの実態は、治験者を誘い込むだけのはりぼてのリゾートだったという結末につながる重要な伏線でした。

伏線3. 魚のいない海

ホテル側にはたくさん魚がいたのに、ビーチには魚が全然いませんでした。
汚染された海ならまだしも、秘境にあるきれいなビーチに魚がいないのはどう考えてもおかしいです。
これは、ビーチの影響により魚が急速に老化した結果だと考察できます。
魚の寿命は基本的に人間よりも短いので、繁殖する間もなく絶滅してしまったのでしょう。

伏線4. 子どもと大人で違う、数字に対する捉え方

数字に対する登場人物たちのセリフから、「老化」という作品テーマを深堀りできます。
本作で子供どもたちは「早く大人になりたい」、「早く目的地に到着しないかな」など、「早く時間が経ってほしい」という考えを示すセリフを言います。
一方大人たちは、数字が多いことを否定的に捉えるようなセリフを言っていました。
齢を重ねるのは、子供の時は楽しみなことなのに、大人になると避けたいことに変ってしまうのです。

伏線5. イドリブの手紙

暗号好きの少年イドリブは、トレントと暗号を使って手紙のやり取りをしていました。
その暗号を解読すると、「叔父さんは珊瑚礁が嫌い」と書かれていました。
イドリブはホテルの支配人、ニルスの甥だったため、ホテルの正体を知っていた可能性がかなり高いです。
「珊瑚礁を避けて泳ぐことで、脱出できる」ということを、こっそりトレントに伝えたかったのだと考察できます。

【ネタバレ】『オールド(OLD)』のトラウマになる怖いシーン

『オールド(OLD)』に登場した、怖いシーンをネタバレ込みで解説します。
現実にはあり得ないシチュエーションばかりなので、怖さを通り超して笑いがこみ上げてくるかもしれません。

6歳の女の子が妊娠してから1日で出産

ビーチに来た時はまだ子どもだったトレントとカラは、急激に成長し性交渉に及び妊娠します。
妊娠したカラはすぐ出産しますが、赤ちゃんは生まれて間もなく死んでしまいます。
赤ちゃんを失いショックを受けたカラは、錯乱状態に陥り脱出を試みますが、結局命を落としてしまいました。
1日のうちに初恋、出産、妊娠、死産といった大イベントを経験したカラの気持ちは計り知れません。

大きな腫瘍摘出

キャパ家の母、プリスカは病を患い、原因不明の腫瘍を抱えていました。
老化が急激に進んだことにより、腫瘍はみるみると肥大化したため、チャールズはその場で腫瘍を摘出することに。
ナイフで腹部を開きますが、老化のスピードが速すぎるため、傷口がすぐに閉じてしまいます。
仕方なくもう一度傷口を切り開くシーンは、生々しかったです。
また摘出した腫瘍はメロン大に肥大し、トラウマ級のグロさでした。

クリスタルのグロい死に方

チャールズの妻、クリスタルは低カルシウム血症という病気を患っていました。
カルシウム不足のクリスタルは、老化により肌がシワシワになり一気に老けてしまいます。
もともとクリスタルはきれいで若々しい見た目だったため、その落差が見ていてとても痛々しかったです。
最終的には、カルシウム不足により骨がボキボキ折れた状態で死んでしまいます。

錆が体内に入って、チャールズが真っ黒になって死ぬ

発狂したチャールズはガイとプリスカを襲います。
老いたガイは太刀打ちできませんでしたが、プリスカはビーチで見つけたナイフでチャールズに反撃成功。
その結果、ナイフの錆がチャールズの体内に入り、その毒でチャールズは死んでしまいました。
毒の影響でチャールズの身体が真っ黒になるシーンは、目を覆いたくなるほど気持ち悪かったです。

『オールド(OLD)』が描く恐怖とは?

『オールド(OLD)』が描く恐怖の正体を解説します。
ただのパニック映画ではないことが、『オールド(OLD)』が怖い理由なのではないでしょうか?

老いや死に対する恐れ

『オールド(OLD)』は老いや死に対する恐怖を凝縮した作品といえます。
人は誰しも、老いや死に対する恐怖を抱えながら生きています。
本作の登場人物たちもまた、それぞれ彼らなりに老いに対する恐怖に対峙していました。
その中でもトレントとマドックスが最後に生き残ったのは、「私たち家族は何があっても一緒」とお互いの絆を守り通したからです。
一人ではないと思えることが、老いへの恐怖を和らげる方法なのかもしれません。

多くを救うためなら、多少の犠牲はやむを得ないという考え方への違和感

本作の黒幕だった製薬会社は新薬を効率的に開発することを優先し、治験者たちが無残な死に方をすることを気にも留めていませんでした。
その根底にあるのは、企業の利潤追求のためなら人の死も厭わないという恐ろしい考え方でしょう。
個人の死を犠牲にして権力者や社会全体の利益を優先するという考えは、まさに恐怖政治の構造そのもの。
黒幕があまりにも非倫理的な思想を持っていたことが、『オールド(OLD)』の怖さの理由です。

映画『オールド(OLD)』を見る

ここまであらすじ解説と考察を見てきました。
もう一度視聴したい人に向けて、『オールド(OLD)』が見られるリンク先を掲載します。

オールド(OLD)

公開日	2017年10月27日
監督	M.ナイト・シャマラン
出演	ガエル・ガルシア・ベルナル, ヴィッキー・クリープス, ルーファス・シーウェル

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まとめ

今回は映画『オールド(OLD)』のあらすじ紹介や結末などの考察をネタバレありで行いました。
『オールド(OLD)』は1日で48年が経つという設定や子供が妊娠する描写など、監督ならではの斬新な発想が際立つ映画でした。
ホテル名など意外なところにも伏線が潜んでいましたが、自力でいくつ見つけられましたか。
あらすじや解説を読んだうえでもう一度『オールド(OLD)』を見たくなった人は、記事のリンクから飛んでみてください。

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