推理小説史上最高のトリックが楽しめる作品15選 長編のミステリ傑作を紹介
KEYWORD
読者に謎解きの楽しみを提供する推理小説のなかで特に驚きや感動を与えるのがトリックと呼ばれる仕掛け。
読者の思い込みを逆手に取ったり、物語の構造や視点を巧みに操作したりする驚きのトリックが存在します。
本記事では、史上最高と呼ぶのにふさわしい秀逸なトリックを楽しめる日本・海外の最高のミステリー小説を紹介。
ミステリファンでなくても楽しめる推理小説や伏線がすごい小説ばかりなのでぜひ参考にしてください。
ミステリ傑作のトリックの魅力とは
トリックとは、犯人や事件の真相を隠すために用いられる手法や工夫のこと。
ミステリー小説に欠かせないトリックの魅力を紹介します。
読者が登場人物と謎解きできる
読者は謎が解ける瞬間を待ち望みながら、登場人物と共に事件の真相を追い求めます。
トリックが巧妙で予測困難な場合、読者は一層物語に没頭し、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
伏線がすごい小説に考えさせられる
ミステリー小説の犯人や犯行の方法、伏線を読者にわかりづらくするのがトリック。
伏線がすごい小説は読者に考えさせつつ、ラストにあっと驚く種明かしを用意しています。
推理小説史上最高の長編ミステリー小説:日本
ここからは、日本の作家による推理小説の傑作長編を紹介します。
史上最高のトリックを味わえるミステリ傑作ばかりなので要チェック。
すべてがFになる
『すべてがFになる』は森博嗣のデビュー作。
14歳の時に両親殺害の罪に問われ、孤島の研究施設の一画に隔離されている天才博士・真賀田四季。
N大学工学部助教授の犀川創平と教え子の西之園萌絵が博士の部屋に入ろうとすると、ウェディングドレス姿の女の死体が。
そして部屋のコンピュータには「すべてがFになる」という一文が残されていました。
理系的な難解トリックに引き込まれる推理小説です。
キャラクターも魅力的で、謎解きにワクワクする本格理系ミステリー
発売日 | 1998年12月11日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 森博嗣 |
容疑者Xの献身
『容疑者Xの献身』は東野圭吾によるミステリー小説です。
天才数学者でありながら数学の道を断念した高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に想いを寄せていました。
ある日、彼女がDVをはたらく前夫を殺害したことを知り、隠ぺいに協力。
捜査には、石神の大学時代の同級生・湯川が登場し、彼と石神の知恵の戦いが展開されます。
天才数学者と天才物理学者の対峙に注目のミステリ傑作。
犠牲的な愛や友情にも感動する、日本の最高の長編ミステリー小説
発売日 | 2008年8月5日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 東野圭吾 |
仮面山荘殺人事件
結婚式目前で婚約者の資産家令嬢・森崎朋美を事故で亡くした樫間孝之。
その後、朋美の両親が所有する山荘での恒例の集まりに招かれ、参加者たちと朋美を忍びます。
しかし、夜に強盗犯が山荘に入りこみ、八人は銃で脅され監禁される事態に。
八人は脱出しようとしますが、何者かに妨害されているようで…。
日本を代表する推理作家による、どんでん返しに驚かされる傑作ミステリーです。
予想を超えるトリックに夢中になれる、読みやすい推理小説
発売日 | 1995年3月7日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 東野圭吾 |
向日葵の咲かない夏
夏休み前の終業式の日、「僕」は学校を欠席したS君の家を訪れます。
そこで見つけたのは首を吊って死んでいるS君。
「僕」が再度S君の家に来た時には彼の死体は消えていました。
そしてS君はある生き物の姿になって「僕」の前に現れ、「僕は殺されたんだ」と訴えます。
現実と妄想が入り混じる、奇妙な世界観にハマること間違いなしのミステリ傑作です。
日本の推理小説史上最高の叙述トリックを楽しめる伏線がすごい小説
発売日 | 2008年8月1日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 道尾秀介 |
葉桜の季節に君を想うということ
探偵事務所で働いたのちに、「何でもやってやろう屋」を自称して気ままに生きる「俺」成瀬将虎が主人公。
ある日、後輩から彼が恋する久高愛子の祖父の死と悪質な霊感商法の調査を頼まれます。
その頃、将虎は地下鉄に飛び込もうとした女性を助けたことで、運命の歯車が回りだし…。
バラバラだったピースが終盤で一気にはまり始める怒涛の展開に注目。
日本の最高のミステリー長編小説で伏線がすごい小説のひとつです。
どんでん返しに驚かされる叙述トリックと主人公のキャラクターが魅力
発売日 | 2007年5月10日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 歌野晶午 |
屍人荘の殺人
神紅大学ミステリ愛好会の明智恭介と葉村譲は映研の夏合宿に参加するために同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪問。
合宿初日目の夜に肝試しをしますが、思いがけない事態に遭遇し、紫湛荘に立てこもりを余儀なくされることに。
それは連続殺人の始まりに過ぎませんでした。
果たして彼らは生き残り、謎を解き明かすことができるのでしょうか。
クローズドサークルの本格ミステリーです。
鮮やかなトリックで、史上最高のミステリー×パニックホラーを楽しめるミステリ傑作
発売日 | 2019年9月13日 |
出版社 | 東京創元 |
著者 | 今村昌弘 |
ハサミ男
美少女を殺す通称・ハサミ男は、鋭利に磨いたハサミを死体の首に突き立てる残虐な殺人鬼。
三番目の犠牲者を決めて、実行に移そうとするも自分そっくりの手口で彼女が殺されてしまいます。
ハサミ男は誰がなぜ殺したのか調査に乗り出しますが…。
どんでん返しでもう一度読みたくなること間違いなし、日本の最高のミステリー小説のひとつで伏線がすごい小説です。
殺人犯が自分の模倣犯を探す設定が面白い本格ミステリ傑作
発売日 | 2002年8月9日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 殊能将之 |
慟哭
連続幼女誘拐事件の捜査が難航し、警察内部や世論の批判に追い詰められる捜査一課長。
マスコミは彼の私生活に関心を寄せます。
そして事態は新たな局面を迎え…。
幼女連続誘拐事件と新興宗教の話が交互に展開され、二つの話がどのように繋がるのか引き込まれる推理小説です。
ラストに向かって伏線が張り巡らされ、思わぬ展開に驚かされます。
鮮烈な印象を残した著者の長編デビュー作です。
トリックがわかったときにタイトルにも唸らされる重厚なミステリー
発売日 | 1999年3月19日 |
出版社 | 東京創元社 |
著者 | 貫井徳郎 |
推理小説史上最高の長編ミステリー小説:海外
続いて、海外作家による秀逸な推理小説を紹介します。
日本発のミステリーとはまた雰囲気が違う、海外のミステリー長編小説に注目です。
そして誰もいなくなった
ミステリーの女王、アガサ・クリスティーによる最高傑作です。
孤島に招かれたのは、互いに面識のない十人の男女。
島には招待主の姿はなく、夕食の席で彼らが過去に犯した罪を暴く謎の声が。
そして童謡になぞらえて彼らが一人ずつ殺されていきます。
後半になると、さらにサスペンス展開が加速し、読者もページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
現代の密室ミステリーにつながる、今読んでも楽しめる不朽の名作
発売日 | 2010年11月10日 |
出版社 | 早川書房 |
著者 | アガサ・クリスティー、青木久惠 (訳) |
アクロイド殺し
深夜の電話に駆け付けたシェパード医師が発見したのは、村の名士ロジャー・アクロイドの殺された姿。
捜査が困難を極める中、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロだと判明し、新たな展開に。
トリックが読者にフェアかどうか、読者に大きな波紋を呼んだミステリ傑作。
クリスティの代表作の一つでミステリーファンなら読んでおきたい作品です。
100年以上前に書かれたとは思えない、ミステリーの古典的名作
発売日 | 2003年12月12日 |
出版社 | 早川書房 |
著者 | アガサ・クリスティー、羽田詩津子 (訳) |
幻の女
絞殺体で発見された主人公スコットの妻。
彼はアリバイを証明してくれる女性を探そうとしますが、会ったはずの誰も女性を見ていませんでした。
スコットは死刑を宣告され、タイムリミットは迫ってきます。
幻の女の手がかりを掴みそうになっては消えていく展開にハラハラドキドキ。
優れたプロットとトリックでスリル満点、海外古典の名作と名高い作品で伏線がすごい小説です。
死刑が近づく緊迫感と、幻の女の謎に引きこまれるサスペンス推理小説
発売日 | 2016年6月30日 |
出版社 | 早川書房 |
著者 | ウイリアム・アイリッシュ、黒原敏行 (訳) |
自由研究には向かない殺人
高校生のピップは、自由研究で5年前の少女失踪事件を調査。
交際相手の少年が彼女を殺し、自殺したと発表されていましたが、少年と親しかったピップは彼の無実を証明しようとします。
調査で判明する事実、二転三転する展開が面白く、SNSや現代の若者文化も取り込んだ推理小説。
正義感あふれる、ひたむきなピップにも心打たれる青春ミステリーです。
高校生がインタビューやネットを通じて推理を重ねる現代ミステリー
発売日 | 2021年8月27日 |
出版社 | 東京創元社 |
著者 | ホリー・ジャクソン、服部京子 (訳) |
Yの悲劇
大富豪ヨーク・ハッターの死体が港で見つかりますが、それは殺人事件の序章に過ぎませんでした。
その後、ハッター家の長女、男児の殺人未遂事件が発生し、老婦人エミリイが撲殺されます。
事件解決に乗り出したドルリー・レーンは、ヨーク・ハッターが書いていた推理小説のあらすじを発見。
世界の推理小説史上の傑作として、日本で長らく読み継がれている名作です。
意外な犯人のトリックに驚く、特に日本で高評価を得ているミステリ傑作
発売日 | 2010年9月25日 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | エラリー・クイーン、越前敏弥 (訳) |
カササギ殺人事件
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が執り行われていました。
鍵がかかった屋敷の階段下で倒れていた彼女は掃除機のコードに足を引っ掛けたのか、それとも…。
家政婦の死は、小さな村の人間関係に波紋を広げていきます。
アガサ・クリスティのオマージュを感じさせる作品で、大胆なトリックに驚かされる推理小説です。
本屋大賞の翻訳部門第1位、下巻もすぐに読みたくなる英国ミステリーの傑作
発売日 | 2018年9月28日 |
出版社 | 東京創元社 |
著者 | アンソニー・ホロヴィッツ、山田蘭 (訳) |
ストーンサークルの殺人
英国カンブリア州のストーンサークルで次々と焼死体が見つかります。
三番目の被害者には、不祥事で停職中の国家犯罪対策庁警察官「ワシントン・ポー」の名前と「5」の字が刻まれていました。
身に覚えがないポーは急遽捜査に加わることになりますが、新たに遺体が発見され…。
テンポがよい展開が魅力で、最後のどんでん返しにも驚かされる作品です。
コンビが活躍する、警察ミステリーが好きな人におすすめ
発売日 | 2020年9月3日 |
出版社 | 早川書房 |
著者 | M・W・クレイヴン、東野さやか (訳) |
まとめ
推理小説史上最高のトリックが楽しめる、日本と海外のミステリー小説を紹介しました。
推理小説の中でも、トリックが秀逸で読後に感嘆してしまうような作品は読み応え抜群。
記事では名作から最新の話題作まで、幅広く取り上げています。
日本発の最高のミステリー小説など、どれも読む価値のある作品ばかりなので、ぜひ手に取ってみてください。
あなたもアッと驚くトリックの虜になることでしょう。
※書籍等の発売日は、紹介商品の版元から発売された日を掲載しています。
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