【考察の書き方】レポート・卒論・論文の考察の書き方をわかりやすく解説
大学・大学院・社会人、さまざまな立場で論文・卒論・レポートを書く場面があります。
しかし、必要な割に書き方を教えてくれる人はあまりいないのではないでしょうか。
この記事では特に論文の要とも言える、考察の書き方についてわかりやすく解説します。
考察とまとめの違いについてや論文に使える例文など、実践的な解説となっているのでぜひ参考にしてくださいね。
【レポート・卒論・論文】考察とは? わかりやすく解説
考察とは「実験や調査によって得られた結果について自分なりに考えて、その結果(事実)から結論に至った過程を説明する」ことになります。
類語や混同されがちな言葉に「考慮」「結果」「感想」などがありますが、すべて違う意味のため注意が必要です。
考察は結果と結論を繋ぐ重要な部分であり、論文・レポート・卒論に説得力を持たせるために欠かせません。
【レポート・卒論・論文】考察の書き方・注意点
ではさっそく、考察の書き方をわかりやすく解説します。
混同しやすい、考察とまとめの違いについても簡単に説明します。
1. 考察とまとめの違いを明確にする
レポートや卒論を書く際につまずきがちなのが、考察とまとめの違いについてです。
簡単に言えば考察とは「実験や調査から何を発見して、どう考えるか」を述べる部分で、まとめとは「考察も含め、研究全体を通してわかったこと」を述べる部分です。
まとめとは要するに研究の総合的な結論であり、「結果のみに基づいた分析・議論」である考察とは似ているようで別物なのです。
2. 考察で感想は書かないよう注意
論文を書き慣れない人は「○○がわかってうれしかった」など感想を書いてしまうケースがあります。
これは絶対にやめましょう。
筆者の主観が入ると「感想」となってしまいます。
考察とは結果(事実)を根拠にして、仮説通り結果が立証されたかの考えを論理的に記す部分です。
筆者の考え方・価値観はある程度影響しますが、「うれしかった」などの感情表現は考察では使いません。
3. 考察は言いたいことを段落で簡単に分けよう
考察で言いたいことは、簡単にいくつかの段落に分けて説明しましょう。
書き出しには「はじめに」、「第一に」などの接続詞を使うのが一般的なやり方。
続く段落は「つぎに」「さいごに」「第二に」などの接続詞を使いながら繋げると、文章がわかりやすくなります。
段落分けをせずにつらつらと書いていくと、このレポートは何を言いたいのかわからなくなってしまうので、段落分けは必須です。
4. 最初に結論・主張を書き、その後に具体例を書く
最初の書き出しに結論・主張を述べ、その後に具体例を書くとわかりやすいレポートに仕上がります。
このやり方を「パラグラフ・ライティング」と言います。
簡単にいうと「最初に重要なこと→結論→詳しいことは後で説明」ということです。
これにより最初の書き出しを読むだけで、その論文の主張がだいたい把握でき説得力のある文章に近づきます。
【レポート・卒論・論文】書き出しの書き方 例文も紹介
前述で書き出しは「結論から」と述べました。
ですがいきなり自分の考えを書くことが難しい場合は、テーマに対する「一般的な考え・意見」を書き出しに記載するやり方もおすすめです。
書き出しにほかの考えを挙げ、それと自分の研究を比べることでオリジナルの考察が述べやすくなります。
ここではレポートや卒論など、論文の書き出しに使える例文を紹介します。
例文1
- 先ほどの実験では、××な反応が確認された。
これは△△と〇〇が融合したことに原因があると考える。
私がそのように考察する理由は以下の通りである。
例文2
- このテーマについて同様の検証実験を行った例では〇〇という結果だったが、本実験では××という結果だった。
これは△△が原因として挙げられる。
例文3
- 前述の調査結果から、Z世代の女性は安定を求めて買い物をしていると筆者は考察する。
これを裏付ける資料として、〇〇氏による先行研究を紹介しよう。
【レポート・卒論・論文】考察を書く際に役立つおすすめの本3選
考察のやり方や考察とまとめの違いなどを、わかりやすく解説した本をピックアップしました。
どの本も論文を書く上で基礎となるものなので、ぜひ参考にしてくださいね。
思考の整理学
東大生協文庫売上1位となったこともある、ロングセラー本です。
受動的に知識を得るのが「グライダー人間」。
一方で自分で考えて進むことができるのが「飛行機人間」とし、これからの社会では「グライダー兼飛行機人間」になる必要があると述べています。
ものを覚えたり情報を集めることはできても、考察するのは苦手という人にとってためになる本ですよ。
自分で考え、研究の糸口を見つけていくためのヒントが詰まった学術エッセイ
発行日 | 1986年4月24日 |
出版社 | 筑摩書房 |
著者 | 外山滋比古 |
はじめてでも、ふたたびでも、これならできる! レポート・論文のまとめ方
論文を書く前の準備段階から、丁寧に指導してくれる書籍です。
考察のやり方はもちろん、テーマの決め方や情報の集め方など研究の進め方を具体的に学べます。
またこの本のポイントは例文が多数掲載されていて、実践的な内容であること。
はじめてレポートを書く大学生や、論文のルールやふさわしい言い回しを学びたい人に特に参考になる1冊です。
考察の書き方だけでなく、論文の基本・実践・表現の向上まで広い範囲で学べる1冊
発行日 | 2019年10月25日 |
出版社 | すばる舎 |
著者 | 新田誠吾 |
最新版 大学生のためのレポート・論文術
大学生がレポート、論文作成する際に欠かせない基本が詰まった一冊です。
考察に使用した参考文献の表記の方法ついて詳しく載っています。
ネット検索の上手な活用法、電子書籍の引用表記などどうすればよいのか、最新のネット環境などに対応したアップデート版。
また気をつけなければならない論文不正の種類や使用するフォント、論文のタイトルについても解説しています。
論文・レポート作成で誰にも訊けない基本が書いてある一冊
発行日 | 2018年10月17日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 小笠原喜康 |
まとめ
今回は論文・レポート・卒論の考察のやり方がわからないという人に向けて、考察の書き方や例文を簡単に解説しました。
考察のやり方につまずき途方に暮れていた人も、方向性がつかめたのではないでしょうか。
論文の考察部分では、調査や実験から得られた結果について自分がどう考えるかをわかりやすくまとめることが大切です。
記事で紹介した書籍や例文を参考に、より説得力のあるレポート・論文を目指していきましょう。
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