『宝石の国』のあらすじから最終回までネタバレ解説 どんな話かやキャラも紹介

※本ページにはプロモーションが含まれています
不老不死の宝石たちを美しいタッチで描いた、『宝石の国』。
2024年4月に最終回を迎えましたが、完読した人の中にはどんな話だったか、消化しきれていない点が残っている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、『宝石の国』の最終回までのあらすじやネタバレ込みの解説を行います。
本作と仏教思想の関係性や金剛先生の死亡についてなど、作品整理に活用してください。
『宝石の国』はどんな話? ストーリーを解説

市川春子による漫画作品で、アニメ化もされている『宝石の国』のあらすじをネタバレなしで簡単に紹介します。
物語の舞台は、かつて「にんげん」がいたとされる遠い未来。
そこには人型をした28人の宝石生命体が息づいていて、主人公のフォスフォフィライトもその一人でした。
宝石生命体は実質的に不老不死で、死の概念がないばかりか、女性にも男性のようにも見える不思議な存在です。
そんな彼らは月から宝石を奪いに来る「月人」に狙われていて、日々戦いを繰り広げています。
最終回に向かうにつれ、宝石生命体はなぜ生まれたのか、月人が宝石生命体を狙う目的とは何なのかその真相が明らかとなっていきます。
『宝石の国』の魅力

『宝石の国』の魅力は、宝石を生命体になぞらえる独創的なストーリーです。
例えば主人公のフォスフォフィライトは、元の宝石の特徴でもある「非常に脆く壊れやすい」キャラゆえに、苦悩し自分の存在意義を探し続けます。
本作ではそのような感情が光と影のコントラストで美しくも儚く描写されています。
まるで芸術作品のような画風も独特で、いつの間にかその世界観に吸い込まれてしまうでしょう。
『宝石の国』は2024年4月25日に完結

『宝石の国』は2024年4月25日、第108話を持って完結しています。
本作は2012年10月より『月刊アフタヌーン』で連載され、最終回まで12年もの間、読者に親しまれていました。
作者の市川春子さんは完結にあたり「描いていて面白く、予定通り終わることができてよかったです」とコメントを寄せています。
『宝石の国』のネタバレ解説・最終回考察

『宝石の国』の伏線や謎の残る描写を、最終回の結末までネタバレ解説します。
ストーリーの考察を進めると、本作は仏教思想に基づいていたことがわかるでしょう。
謎の月人「しろ」
しろは漫画の4巻、アニメの10話、11話で出てくる新型月人です。
6つの目と腕を持つ白い毛むくじゃらのキャラで、今まで登場した月人と比べても強大な力を持っていました。
ネタバレになりますが、しろの正体は月に流れ着いた犬の魂が月人によって再生されたものです。
第55話の「呪い」でフォスがエクメアにしろの正体を聞くと、「金剛が可愛がっていた犬」だと返答がありました。
金剛先生の正体
金剛先生は、人間が最後に作った「祈りのための機械」で、正式名称は金剛大慈悲晶地蔵菩薩です。
その正体は人間でも月人でもなく、AIにすぎませんでした。
本来、金剛先生は人類滅亡の後、最後の人間の魂を分解することを期待して作られました。
しかし金剛先生はいつしかその役目を果たさなくなり、月人たちは彼は故障したと考えるようになります。
金剛先生が祈らなくなったのはなぜ?
金剛先生が祈らなくなったのは、宝石たちを守りたかったからです。
先生は人間が作ったAIでありながら、宝石たちと関わる中で彼らに愛情を抱くように。
しかし、もし先生が祈れば、先生が大事にしてきた宝石たちが無になってしまう可能性がありました。
そのような事態を避けるため、金剛先生はいつしか祈ることをやめたのです。
フォスに殺されて金剛先生は死亡した?
金剛先生の正体を知ったフォスは、先生を裏切ることで宝石の国を守ろうと計画します。
フォスは作戦のため地上に戻り、金剛先生に祈ることを求めました。
しかし先生が祈ることはなく、絶望したフォスは先生に剣で襲い掛かります。
すると先生の額にひびが入り、最期はフォスに自分の右目を授けて死亡。
先生は死亡する間際、フォスに「仕事の終わりを告げてくれる人間を待っていた」と言い残しました。
兄機はアユム博士に会えるのか
兄機は金剛先生の開発者であるアユム博士が、金剛よりも前に作った機械です。
最終回で人間のいない部分だけになったフォスに、兄機は「月人にお前のことを頼まれた」と言います。
そして最期は楽園にたどり着いたことに満足し、砂のように消えていきました。
結論を言うと、兄機はアユム博士に二度と会えないと考察します。
なぜなら、アユム博士は既に輪廻を断ち切られ、無に帰ってしまったからです。
輪廻から解き放たれた人間
輪廻転生とは、死後に魂が新たな肉体に生まれ変わり、永遠に生死を繰り返すという仏教思想です。
宝石の国でも、宝石、月人、アドミラビリス族が輪廻転生していたといえます。
特に月人は死後、魂が輪廻から解放されることを望んでいて、宝石たちを利用してその救済を求めました。
そして最後には、人間のカルマを背負ったフォスが燃え尽きたことで、人間は輪廻から解き放たれたと考察できます。
仏教とニルヴァーナ
ニルヴァーナ(涅槃、Nirvana)とは、仏教における究極の悟りや解脱のこと。
『宝石の国』においては、仏教思想、とりわけニルヴァーナの思想が作品に強く影響しています。
作中、フォスをはじめとする登場人物たちは「自己とは何か」や「苦しみからの解放」を模索していました。
そして結末、フォスが人間のカルマを背負って燃え尽きる展開は、涅槃入りを意味していると考えられます。
『宝石の国』を見る・読む
『宝石の国』のあらすじ紹介と、最終回結末までのネタバレ解説を行いました。
ここからは各巻のあらすじを簡単に紹介。
どんな話だったか知りたい人は、以下で掲載している視聴サイトや漫画もチェックしてください。
アニメ 宝石の国
登場人物が自分の悩みに向き合い、仲間を守るために成長する姿に注目
公開日 | 2017年10月7日 |
監督 | 京極尚彦 |
出演 | 黒沢ともよ、小松未可子、茅野愛衣 |
宝石の国 1巻
月人に襲われたフォスに待ち受ける意外な結末に仰天する
発売日 | 2013年7月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 2巻
宝石、月人、アドミラビリス族の関係性を探るヒントとなることが語られる
発売日 | 2014年1月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 3巻
宝石たちが儚くも美しく、崩れ落ちていく描写に心奪われる
発売日 | 2014年8月22日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 4巻
フォスが先生への不信感を高めるきっかけになる、しろの登場回
発売日 | 2015年5月22日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 5巻
月人に襲われたフォスはどうなるのか、ハラハラドキドキの5巻
発売日 | 2015年11月20日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 6巻
月人に襲われ、フォスの身体が前巻よりもさらに致命的な状態に
発売日 | 2016年9月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 7巻
ラピスラズリの頭を手に入れたフォスが、危険な計画に乗り出すストーリー
発売日 | 2017年5月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 8巻
誰が本当の敵なのか分からなくなる、結末に向けたどんでん返しに注目
発売日 | 2017年11月22日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 9巻
目に焼き付くような衝撃的な描写に胸が痛くなる、熾烈なバトルを描いた回
発売日 | 2018年10月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 10巻
作戦に失敗したフォスへの、宝石たちの冷たい仕打ちに切なくなる
発売日 | 2019年8月23日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 11巻
金剛先生を祈らせるための計画が始動 狂気に満ちたフォスの表情にも注目
発売日 | 2020年7月20日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
宝石の国 12巻 特装版
本作は仏教思想を体現していたことがうかがえる、『宝石の国』最終回
発売日 | 2022年11月22日 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 市川春子 |
まとめ
今回は『宝石の国』のあらすじを簡単に紹介しながら、金剛先生が死亡するのかについてなど最終回までの考察をネタバレ込みで行いました。
本作の背景には仏教があることを知ると、作者がなぜフォスを結末に消滅させたのか理解できるでしょう。
また登場人物の宝石たちの不老不死の設定も輪廻転生の考え方に基づいていることがわかります。
『宝石の国』のネタバレ解説を知ったうえで、もう一度作品を読み返してみては。
※書籍等の発売日は、紹介商品の版元から発売された日を掲載しています。
※各商品の説明文は各ECサイトを参考に作成しています。
※商品は掲載時点の情報を参考にしています。最新の情報は各ECサイトをご参照ください。