アニメ鋼の錬金術師とフルメタルアルケミストはどっちを見る? 違いや最終回を解説

荒川弘氏の漫画『鋼の錬金術師』は錬金術師である兄弟の冒険を描いたファンタジーで、2回アニメ化されました。
2003年から放送された『鋼の錬金術師』(無印・旧版)と2009年の『鋼の錬金術師fullmetal alchemist』(新版)があります。
物語の中盤まではほぼ同じ内容ですが、中盤~最終回は違う展開に。
アニメ『鋼の錬金術師』(ハガレン)はどっちを見るべきか、何話から見ればよいか迷う人に、記事では2つのアニメの違いを解説します。

『鋼の錬金術師』のあらすじ(旧版・フルメタルアルケミスト共通)

主人公・エドワードと弟・アルフォンスは、亡くなった母を生き返らせるために禁忌である人体錬成を試みるが失敗。
代償としてエドは左足、アルは全身を失うことに。
エドはとっさに右腕を対価にアルの魂を鎧に定着させ、一命を取り留めます。
その後、鋼の義手義足・機械鎧(オートメイル)をつけたエドは国家錬金術師となり「鋼の錬金術師」と呼ばれるように。
兄弟は失った体を取り戻すために「賢者の石」を探す旅に出ます。

【解説】ハガレンはなぜ新旧で内容が違う?

旧版アニメの放送時は、原作漫画は連載中でアニメの展開が原作に追いついてしまいます。
そのため、アニメ中盤以降はオリジナルストーリーになり、原作にはないキャラクターや設定で進みました。
結果的に、原作とはかけ離れたストーリーや最終回となります。
ファンからは賛否両論だったものの、ダークな展開を支持する声も多いです。
新版アニメ『鋼の錬金術師fullmetal alchemist』(フルメタルアルケミスト)は、原作漫画の完結後に企画されたもので、ストーリーは原作に忠実です。

【鋼の錬金術師】主要キャラクター紹介

『鋼の錬金術師』に登場する主要なキャラクターを紹介。
旧版・新版(fullmetal alchemist)で大きく違いのあるキャラクターも解説します。

エドワード・エルリック

ハガレンの主人公で、通称「エド」。
金髪・三つ編み・右腕左足の義足が特徴的な15歳の少年。
幼いころから卓越した錬金術の才能を持ち、12歳にして「国家錬金術師」となります。
錬成陣を書かず、両手を合わせるだけで錬金術を使用することができます。
生意気で、直情型の性格です。

アルフォンス・エルリック

通称「アル」。
大きな鎧の姿の14歳の少年。
魂を鎧に定着させているため、体がなく、食事・睡眠・肉体疲労もありません。
エドとほぼ同等の錬金術の知識がありますが、物語冒頭は両手錬成できません。
兄と真逆で穏やかな性格です。

ウィンリィ・ロックベル

本作のヒロイン。
金髪ポニーテールが特徴の15歳の少女。
エドの義手・義足である機械鎧の整備師です。
エドとアルとは幼馴染。
両親は8歳の頃のイシュヴァールの内乱で死亡しており、傷の男(スカー)と因縁があります。
旧版と新版で両親を殺害した人物が違います。

ヴァン・ホーエンハイム

エドとアルの実父。
年齢不詳。
長身で顎鬚が特徴。
ホムンクルスたちの「お父様」と外見が似ています。
兄弟が幼いころに突然家を出て以来音信不通でした。
突然帰郷し、愛する妻と家がなくなったことを知ります。
旧版では「ホーエンハイム・エルリック」「光のホーエンハイム」とも呼ばれ、出自の設定がかなり違います。

ロイ・マスタング

29歳で中央司令部勤務の大佐であるエリート軍人。
「焔の錬金術師」であり、火を操る錬金術を得意としています。
エドを国家錬金術師にスカウトした人物です。
軍人サイドのキャラクターの中で主要人物であり、物語を展開させるキーマンです。
旧版と新版で最終回時の状態にかなり違いのある人物です。

リザ・ホークアイ

金髪をまとめ髪にしている24歳~25歳の女性。
中尉としてマスタングの副官を務めています。
狙撃の技術が高く、本人の姓とかけて「鷹の目」の二つ名があります。
背中に大きな刺青と火傷があり、マスタングが関わっている様子。
冷静沈着な性格で、マスタングのブレーキ役です。

キング・ブラッドレイ

アメトリス軍大総統。
アメトリス国の実質的な国家元首です。
左目に眼帯、オールバックが特徴の60歳男性です。
旧版と新版で共にキャラの立ち回りも似ていますが、ホムンクルスとしての名前が違います。
それに伴い、出自の設定や息子・セリムとの関係も大きく違います。

イズミ

細いドレットヘアをポニーテールのように束ねた36歳女性。
エドとアルの師匠で、高い技術を持つ錬金術師です。
過去に死産した子どもを生き返らせようと人体錬成を行い、代償として内臓の数か所を失います。
旧版ではこの死産した子供について掘り下げた展開があります。
新版・原作では子供についての展開はありません。

スカー

褐色の肌・赤い目(イシュヴァール人の特徴)で、額に十字傷がある男性。
国家錬金術師を殺して回る連続殺人犯として指名手配されています。
「スカー(傷の男)」という名は軍部がつけた通称であり、本名は不明です。
旧版では兄の恋人の女性に片思いしていた過去があります。

【鋼の錬金術師】ホムンクルスのキャラクター

ホムンクルスたちは旧版と新版(fullmetal alchemist)で設定が大きく違います。
キリスト教の「七つの大罪」になぞらえたキャラクター7人の構成員も、旧版と新版で大きく異なります。

エンヴィー

「嫉妬」のホムンクルス。
姿を自在に変える能力があります。
中世的な顔立ちで小柄な少年のような姿をしています(性別は不明)。
旧版ではエド・アルと血縁があるという設定があり、原作と違います。
新版・原作では、真の姿が爬虫類のような化け物であることが明かされます。

ラスト

「色欲」のホムンクルス。
伸縮自在な爪で切り裂く能力を持っています。
黒髪長髪で妖艶な雰囲気の女性です。
旧版ではスカーの兄の恋人が亡くなり、それを人体錬成して失敗した成れの果ての姿という設定があります。
新版では旧版のような設定はありません。
2番目に作られた古参のホムンクルスです。

グラトニー

「暴食」のホムンクルス。
坊主頭で丸い巨体の男性です。
マイペースで無邪気な子供のような性格です。
ラストとよく行動を共にしています。
旧版では食べた人間や魂を結晶「賢者の石」にする能力があります。
新版・原作では、正体は「お父様」が真理の扉を作ろうとして失敗した「疑似・真理の扉」であるという設定です。

グリード

「強欲」のホムンクルスで硬化能力があります。
旧版ではホムンクルスを統括するダンテに反抗するも返り討ちに遭い、弱った状態でエドと対決することに。
新版でもホムンクルスの統括である「お父様」に反抗し、「賢者の石」姿にされます。
その後リン・ヤオの体内に注入され、1つの体に2つの魂が共存することになります。

スロウス

「怠惰」のホムンクルス。
旧版はアニメオリジナルキャラクターで、外見はエドとアルの母親・トリシャと瓜二つです。
身体を液状化させる能力があります。
新版・原作では非常に大柄の男性で、少なくとも100年以上地下を掘り続けています。

ラース

「憤怒」のホムンクルス。
旧版はアニメオリジナルキャラクターで、黒髪長髪の少年です。
体を別の物質と融合させ自在に扱う能力があります。
イズミと因縁があるキャラクター。
新版・原作では大総統・キング・ブラッドレイの正体です。
あらゆる動きを見抜く最強の眼の能力があります。

プライド

「傲慢」のホムンクルス。
旧版では大総統・キング・ブラッドレイの正体です。
「空気の流れが読める」能力が追加されています。
新版・原作では大総統の息子・セリム・ブラッドレイの正体です。
最初に作られたホムンクルスで、不定形な影(本体)を自在に操る能力があります。

【鋼の錬金術師】新旧アニメの違いは?

先述したように、旧版とフルメタルアルケミストの違いは、ストーリーの途中から最終回までの展開です。
ほかに、ホムンクルス、世界観などの設定や、エドとアル以外の主要人物の声優変更も大きな違いです。

ストーリー構成の違い

エドとアルが元の体を取り戻すために旅を始めた後、原作7巻前後のグリード一派と戦う話まではほぼ同じストーリーです。
旧版では賢者の石の原料が大量の人間の命だと判明してストーリーが完全に分岐していきます。
物語は益々ダーク&シリアスになります。
フルメタルアルケミストや原作では旧版に登場しなかったシン国や北方司令部のキャラクターが活躍し、アニメの旧版とはまったく違う展開を見せます。

ホムンクルスの設定

旧版では人体錬成に失敗された成れの果てが「ホムンクルス」になるという設定です。
そのため人間に憧れや恨みを抱くホムンクルスがいます。
新版・原作では賢者の石から生成された人造人間が「ホムンクルス」。
自身が人間より上の存在だと感じているホムンクルスが多く、見下した態度の人物が多いです。
また、ホムンクルスはキリスト教の「七つの大罪」になぞらえたキャラクター7人で構成されています。
その構成員も旧版と新版で違います。

旧版

傲慢/プライド	キング・ブラッドレイの正体
色欲/ラスト	女性のホムンクルス
強欲/グリード	原作の初代グリードとほとんど同一
嫉妬/エンヴィー	見た目は人、真の姿が竜
怠惰/スロウス	主人公達の母トリシャ似
暴食/グラトニー	賢者の石の生成装置
憤怒/ラース	アニオリキャラクター、ホムンクルスの中でも錬金術が使える

原作版

傲慢/プライド	セリム・ブラッドレイの正体
色欲/ラスト	古参のホムンクルス、最強の矛をもつ
強欲/グリード	1人目と2人目がいる
嫉妬/エンヴィー	爬虫類のような巨大な生物になることも
怠惰/スロウス	地下を掘る大男、最強の盾をもつ
暴食/グラトニー	真理の扉の失敗作のようなもの
憤怒/ラース	キング・ブラッドレイの正体

【鋼の錬金術師】最終回の違い

ハガレン旧版の最終回は多くの別れがあり、バットエンドとも解釈できる終わり方。
新版・原作の最終回はほぼすべての伏線が回収され、大半の人がハッピーエンドと解釈できる大団円で幕が下ります。
このように2つのアニメの最終回はまったく違いますが、似ている点もあります。
行動の動機・意味は違うものの、エルリック兄弟の体・能力の状態はほぼ同じ結末になりました。

【100人に調査】アニメ『鋼の錬金術師』は新旧どっちから見るのがおすすめ?

編集部では2004年版の『鋼の錬金術師』か2009年の『鋼の錬金術師fullmetal alchemist』のどっちから見るのがよいかアンケートを実施。

調査では、旧版と答えた人が41%、新版と答えた人が59%とよい勝負になりましたが、新版がリードしました。
原作準拠である新版の『鋼の錬金術師fullmetal alchemist』を支持する意見が多く、もし新版を見て気に入ったら旧版も見るとよいという声も。
以下では、それぞれの作品をおすすめする理由をピックアップしています。

作品名	おすすめの理由
旧版『鋼の錬金術師』	旧版は途中からオリジナルストーリーになるので、そちらからみて、もう一つの方で原作通りのストーリーに進んだほうが違和感がない。あと旧版のほうがボリュームが少ないので見やすい。
	旧版は最後が暗く切ないものだったが、あれこそ鋼の錬金術師の物語のような気がした。新版はハッピーエンドだったので子どもたちは新版のほうを見せたい。
	旧版は救いがない部分があるので、最後は新版で口直しする必要がある
	旧版はifの世界線の話と割り切って視聴した後に新版を見た方がしっかりと楽しめます
	OP曲が最高に良いのでそれから見てほしいです
新版『鋼の錬金術師』	原作により忠実なアニメ作品が好きなのでFullmetalAlchemimstの方が好き
	旧版は雰囲気も暗く、オリジナル要素が強いため、ストーリーを楽しみたい人は新しいほうが良いと思います
	原作に沿って作られているので、伏線回収が見事
	原作を読んだ場合は、新版から観たほうが分かりやすい。ただ、序盤は旧版の方がより原作に近い表現なので、原作派の人は新、アニメオリジナルでも問題ない人は旧をおすすめ
	作画のクオリティも旧作に比べてキレイ
	新と旧では話の内容は違っていますが、最後まで完結するのは新なので新をお勧め。新を見て旧も気になる方だけ視聴したらいいと思います

・調査対象::新旧『鋼の錬金術師』アニメを見た人100人
・調査期間:2024年3月
・調査方法:インターネットによる対象者へのアンケート
・調査機関:ブックスコレクション編集部

【新旧】鋼の錬金術師のアニメ作品を紹介

ここからは鋼の錬金術師のアニメ旧版(2003年)と新版フルメタルアルケミスト(2009年)のあらすじやおすすめポイント、新版では何話から新しい展開になるかも紹介。
2つのシリーズの世界観を楽しみましょう。

鋼の錬金術師

公開日	2003年10月4日
監督	水島精二
出演	朴璐美、釘宮理恵、豊口めぐみ

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鋼の錬金術師 fullmetal alchemist

公開日	2009年4月5日
監督	入江泰浩
出演	朴璐美、釘宮理恵、豊口めぐみ

楽天で買う Amazon Prime Videoで観る11,246円 Amazonで買う Yahoo!ショッピングで買う

鋼の錬金術師 fullmetal alchemist

発売日	2002年1月22日
出版社	スクウェア・エニックス
著者	荒川弘

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まとめ

この記事では2つのアニメの違いや何話から見るべきかを解説しました。
旧版アニメと新版アニメ「フルメタルアルケミスト」、どっちを見るか決まりましたか。
旧版のオリジナルアニメと新版の原作に忠実なストーリー、双方が評価されているため、どっちを見てもそれぞれの良さを楽しめるでしょう。
違う世界観・ストーリーであるため、順序に決まりはありません。
『鋼の錬金術師』の世界を存分に味わってみてください。

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