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『ジェーン・ドウの解剖』を考察 「二度としない」の意味やラストについても解説

ジェーン・ドウの解剖、怖い、考察
出典:Pixabay

※本ページにはプロモーションが含まれています

解剖シーンがリアルに描かれたオカルトホラー映画の『ジェーン・ドウの解剖』。
2016年にイギリスとアメリカが合作で制作をし、上映時間は約90分です。
司法解剖をしている親子の元にやってくる美しい女性の死体。
そこから始まる謎と90分の間に繰り広げられていく怖い体験。
流れてくる音楽や1つ1つの音に思わず、没入感も感じられる作品です。
この記事では作品の考察の他に、最後の「二度としない」というセリフの意味についても解説します。

この記事は『ジェーン・ドウの解剖』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

目次

『ジェーン・ドウの解剖』の概要

親子で司法解剖をしている父トミーと息子オースティン。
そんな2人の元に身元不明の死体の検死解剖依頼が入ります。
その死体はとある惨殺事件現場から発見された美女の全裸死体でした。
身元不明の死体をトミーはジェーン・ドウと呼び、解剖を開始。
ジェーン・ドウとは、日本でいう名無しの権兵衛のことを表します。
通常の解剖と思われましたが、進めるにつれて死体の体内からあり得ないものが発見され謎に包まれます。
そこから2人の身にも心霊現象が発生し、外にも出られない状況に陥るのでした。
閉ざされた空間で繰り広げられる現象と得体の知れない何かに追われる恐怖が始まるホラーサスペンスです。

『ジェーン・ドウの解剖』の魅力

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とてもリアルな解剖シーンにグロさはあるものの、死体の美しさに魅了されます。
ラジオから流れてくる音楽や鈴の音など恐怖を煽る演出もあり、終始緊張感を味わえるのも魅力です。

雰囲気が怖い

雰囲気の怖さは、身元不明の死体を解剖するところだけではありません。
解剖室が自宅の窓もない地下室にあるところからも怖い雰囲気が漂っています。
しかし、それだけではなく女性の死体はとても綺麗な見た目をしていて、外傷が1つもない状態です。
今にも動き出すのではないかとハラハラするでしょう。
流れてくるラジオの音楽や聞こえてくる換気扇の音なども恐怖心を煽ります。

解剖シーンがリアル

『ジェーン・ドウの解剖』では、とてもリアルな解剖シーンが登場します。
解剖から謎と恐怖が出てくることから、切り取られている舌の断面や、損傷してしまっている臓器などが忠実に再現されています。
解剖をしていく中で、謎が増えて物語が進んでいくので、目を瞑りたくなるシーンでも目が離せなくなってしまうでしょう。
解剖シーンが得意ではない人は、覚悟して見てください。

心霊VS化学の構図

よくあるホラー映画では、怪奇現象に叫び、逃げ惑うことがあります。
しかし、『ジェーン・ドウの解剖』では主人公2人が検死官です。
恐れ慄くことなく淡々と解剖を進めて、死体の謎を解き明かしていきます。
最初は淡々と解剖を行っていた2人だったが、皮膚の裏に書かれた模様を発見してから状況は一変。
2人は、逃げ場のない空間で恐怖に翻弄されていきます。

死体役の演技が完璧で怖い

身元不明の死体であるジェーン・ドウを演じたのは、モデル兼女優のオルウェン・ケリー。
彼女は完璧に死体役を演じ切るために、瞑想などを勉強したといいます。
劇中に解剖されるジェーン・ドウは、解剖検査代から1度も起き上がらず、ずっと横になっている状態。
瞬きもせずに横になって、まるで生きているかのように見える死体は、素晴らしい演技として称賛を受けました。

「二度としない」に隠された意味を考察

person driving car during daytime

ここからは最後のシーンでジェーン・ドウを運ぶ運転手の「二度としない」というセリフについて解説していきます。
このセリフは、どういう意味で言われたのかと映画を観た人が様々な考察を持っています。

運転手が黒幕説

映画を見た人の多くが持つ考察として、運転手が黒幕ではないかという説があります。
最後に運転手の「二度としないよ」と言うセリフには、ジェーン・ドウの力を試そうとしてわざと掘り起こしたのではないかという考察があります。
運転手はトミーとオースティンに恨みがあったわけではなく、ジェーン・ドウの力試しをしたかったのではないでしょうか。
そして、本当のターゲットは次の搬送先であるバージニア・コモンウェルス大学内にいるのではないかと言われています。

運転手が幻覚にかかっている説

他の考察として挙げられているのが、運転手自身が幻覚にかかっているという考察です。
運転手にも何かしらの幻覚がかけられていて、ジェーン・ドウが自分の恋人だと錯覚しているという様子も感じ取れます。
「二度としないよ」というセリフから、運転手は幻覚からジェーン・ドウが生きていると思い込んでいるのではないでしょうか。
そして二度と同じことにならないようにするからとジェーン・ドウへ語りかけ、目的地とは別の場所に向かうことを約束しているのではないかと言われています。

ただのセリフの可能性も

「二度としないよ」というセリフの考察の中には、ただのセリフだったのではないかという意見もあります。
最後のシーンをよく見てみると運転手の耳にはイヤホンがついているのです。
このことから、ジェーン・ドウではなく家族や恋人に電話をしているだけではないかと言われています。
ジェーン・ドウに視線を移したのは、死体を運ぶせいで長距離移動しなければいけない恨みかもしれません。
しかし、ラジオから本編でも流れていた恐怖を煽る音楽が流れていることから、次の標的になることだろうということも考えられます。

その他の『ジェーン・ドウの解剖』考察ポイント

gray tabby cat closeup photograpgy

『ジェーン・ドウの解剖』の作中には、見ている人の気を引くようなたくさんの考察ポイントが散りばめられています。
魔女狩りとの関係にも注目してみましょう。

ジェーン・ドウの正体は?

ジェーン・ドウの死体は地下から掘り起こされたのに外傷が全くなく、綺麗な状態でした。
しかし、解剖を進めていくと内臓がひどく損傷していたり、舌が切り取られていたり、手足の骨が折れていたりと魔女狩りの跡がありました。
そして、皮膚の内側には、模様が描かれていました。
それは、抜かれた歯が包まれていた布と同じ模様が描かれていたのです。
怪奇現象の発生を疑う親子は彼女の脳細胞を調べると、まだ生きていました。
ジェーン・ドウは、解剖の苦痛を全て感じていて、生きる死体だったのです。

なぜ他の死体も動き出したのか?

ジェーン・ドウを解剖し始めると、安置していた他の死体も動き出すシーンがあります。
しかし、これはトミーとオースティンが見せられていた幻覚だと考えられています。
この幻覚は解剖に苦痛を感じていたジェーン・ドウが出した警告の1つと考えられます。
もしくは、魔力を強く感じさせるために本当に死体を動かしていたのかもしれません。

なぜ猫は死んだのか?

怪奇現象が発生し始めたころ、トミーが愛していた妻が飼っていた猫のスタンリーが、ひどい状態で換気扇から発見されました。
のちにスタンリーは息を引き取ります。
スタンリーがひどい目に遭ったのは、魔女狩りの対象が女性だけではなく、黒猫も対象だったことからだと考えられます。
黒猫は闇を思い浮かばせてしまうので、魔女狩りの時にたくさんの猫が犠牲になったのではないでしょうか。

ラジオから流れた内容の意味は?

ラジオからは「ヘブライ書4章」が流れ、そのあと「Open Up Your Heart」が流れます。
「ヘブライ書4章」には神の安息所について記されていていました。
そのことから、ジェーン・ドウは苦しみから解放され、安息所に導かれたいと思っていたのかもしれません。
その後に流れた「Open Up Your Heart」は悪魔が歌詞に登場することから、恨みを表しています。
安息所に連れて行かなければ恐ろしいことが起こると暗示していると考えられます。

エマの正体?

逃げるトミーたちが死体だと思い、エマに対して斧を振り下ろしてしまうシーン。
エマを殺してしまったと自責の念に駆られるシーンがあるが、このエマはジェーン・ドウが見せている幻覚だと考えられています。
エマが帰宅するときに車に乗っていたが、最後のシーンではエマの車が置かれている場所に車が写っていません。
このことから、エマが来ていないことを表していました。

『ジェーン・ドウの解剖』の続編は?

black digital video camera

『ジェーン・ドウの解剖』は見た人に考えさせるような終わり方とも捉えられるが、続編も期待できる終わり方です。
監督のアンドレ・ウーブレダルは他の話題作も制作しているので、続編を制作することは難しいかもしれません。
しかし、続編を制作するなら彼女が蘇るストーリーという発言があったので、タイミングが合えば続編の可能性もあるでしょう。

『ジェーン・ドウの解剖』の作品紹介

緊急の検死を依頼された親子の元に運び込まれたのは、目立った外傷がない謎の死体。
解剖を進めるうちに様々な怪奇現象に襲われていくホラー映画です。

ジェーン・ドウの解剖

発行日2017年5月20日
監督アンドレ・ウーブレダル
出演エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オフィリア・ラヴィボン
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まとめ

『ジェーン・ドウの解剖』は、B級ホラー映画ですが、怖さの演出が高い作品です。
解剖をしていくと次々発生する怪奇現象に、思わず目を背けたくなる恐怖が襲ってきます。
しかし、劇中に散りばめられた謎に思わず考察をしてしまい、思わずのめり込んでしまうでしょう。
最後の「二度としないよ」のセリフと、監督の発言から続編も期待したい作品です。
怖い要素だけでなくストーリー性も楽しめる作品なので、ぜひ観てみてください。

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