『思い出のマーニー』は怖い? 裏設定やマーニーの正体、原作についても解説
2014年に公開されてから高く評価されているスタジオジブリ作品『思い出のマーニー』。
マーニーと杏奈の交流に、心温まったという人も多いでしょう。
しかしサイロの意味深なシーンやマーニーの正体は幽霊なのかなど、怖いと感じるシーンも数多く登場します。
今回はそんな『思い出のマーニー』の裏設定を解説します。
さらに『思い出のマーニー』の原作についても紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
この記事は『思い出のマーニー』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。
『思い出のマーニー』は怖い? あらすじを解説
アニメ映画『思い出のマーニー』は、イギリス人作家のジョーン・G・ロビンソンが書いた児童文学作品を元に製作されました。
主人公の杏奈は母親の絵美里と父親、祖母を亡くし、親戚と暮らしています。
ある夏休み、持病の治療をかねて海に近い田舎で療養することにした杏奈。
田舎で見かけた古い湿っ地屋敷になぜか懐かしさを覚えます。
さらに夢で見たマーニーと名乗る少女と出会い、親しくなります。
しかし湿っ地屋敷に引っ越してきた彩香からマーニーの日記をみせられ、しだいにマーニーの正体に疑いを持つようになるのでした。
『思い出のマーニー』には怖い裏設定があった?
『思い出のマーニー』は、怖い裏設定があると公式では言及されていません。
しかし不思議で怖い描写が多く、ファンの間ではその裏に伝えたいことがあるのではと噂されています。
そう言われている主な要因はマーニーが幽霊のように消えることと、杏奈に精神病のような症状がある点の2つです。
『思い出のマーニー』は裏設定を考察しながら視聴するのも面白いアニメです。
『思い出のマーニー』の怖い裏設定
ここからは、『思い出のマーニー』の怖い裏設定について解説します。
裏設定が気になる人は、ぜひチェックしてみてください。
【『思い出のマーニー』の怖い裏設定1】マーニーの正体は幽霊説
マーニーの正体は、幽霊という怖い裏設定があります。
というのも物語の終盤でマーニーは、絵美里の母親、つまり杏奈の祖母だと明かされました。
そのためマーニーはすでに故人であることがわかり、杏奈の前に幽霊として登場していたと考えられます。
ただし作中で杏奈は「マーニーは私が作り上げた空想の中の女の子」と表現していたことから、次に紹介する杏奈は精神病説も有力視されています。
サイロで消えたマーニーは幽霊なのか、杏奈の精神病で見えていた存在なのか、あえて存在を曖昧に描いている点が高く評価されています。
【『思い出のマーニー』の怖い裏設定2】杏奈は精神病説
怖い裏設定の2つ目は、杏奈が精神病説です。
杏奈がマーニーに会えるのはいつも夕暮れ時の満潮で、マーニーと会った後は道端の草むらの中で倒れた状態で見つかっています。
このような状態は、精神病の1つである夢遊病ではないでしょうか。
さらに早くに母親絵美里らを失った杏奈には、内向的な性格や自己肯定感の低さが目立ちます。
初対面の相手にも暴言を吐くシーンもあり、精神的に不安定と評価できます。
杏奈が精神病という角度から物語をみると、また違う視点で物語が楽しめるでしょう。
『思い出のマーニー』の怖い描写5選
『思い出のマーニー』の怖い描写を厳選して、解説します。
描写の意味や作品が伝えたいことがわかれば、マーニーの正体がみえてくるでしょう。
ぜひチェックしてみてください。
【思い出のマーニー』の怖い描写1】嵐の中のサイロ
マーニーの苦手を克服するために杏奈とマーニーは嵐の中のサイロに向かい、閉じ込められてしまいます。
道すがらマーニーは絵美里の父親でマーニーの夫である和彦と杏奈を間違えたり、サイロでマーニーが突然姿を消したりします。
このような描写は作品自体が杏奈が祖母のマーニーから聞いたことの追体験なのだと、見る人に伝えたいのかもしれません。
だから『思い出のマーニー』には、視聴者を混乱させる怖い描写が多いとも評価できます。
【思い出のマーニー』の怖い描写2】ばあやの髪梳
マーニーは屋敷でばあやにいじめられていました。
作中にはばあやがマーニーの髪梳かすシーンがありますが、あまりのばあやの強い力でマーニーの体が倒れそうになります。
この描写が伝えたいことは、マーニーの境遇はよくなかったということでしょう。
原作ではマーニーの人生は戦争によって翻弄されていました。
アニメ映画版もマーニーの幼少期は戦時中の可能性が高く、敵国を恨むばあやにいじめられていた可能性があります。
【思い出のマーニー』の怖い描写3】マーニーには満潮時しか会えない
杏奈はマーニーに満潮の時間にしか会えません。
そのため杏奈は満潮時にわざわざ湿っ地屋敷に、ボートで足を運ぶ必要があります。
作中には杏奈が満潮で帰れなくなり、無口な老人の十一がいなければ帰れないようなシーンも登場しました。
十一は何かしら、この屋敷の秘密を知っているようです。
マーニーがいつでも会える存在ではない点が、物語をよりミステリアスにしたといえるでしょう。
【思い出のマーニー』の怖い描写5】屋敷から見つかった、マーニーの日記
マーニーの日記は、物語をより怖くしたアイテムといえます。
湿っ地屋敷に引っ越してきた彩香は、屋敷で見つけたマーニーの日記を杏奈にみせます。
日記は、杏奈とマーニーが過ごした思い出と同じでした。
このシーンが伝えたいことは「嵐の中のサイロ」の評価とも重なりますが、マーニーとの日々は追体験だったということでしょう。
しかしこの解説を知らない人にとっては、意味がわからず怖い部分だったといえます。
【思い出のマーニー』の怖い描写4】マーニーにそっくりな人形
幼少期の杏奈が、マーニーにそっくりな人形を持っているシーンがあります。
この人形は、金色の髪型で青い服とまるで小さいマーニーのようです。
そのシーンは杏奈が祖母の葬式に出ているシーンだったため、より怖さを感じさせます。
この描写については、マーニーの幽霊が人形に乗り移ったのではないかとも噂されています。
その真偽はわかりませんが、杏奈と母親の絵美里、そしてマーニーの関係性が見えるシーンです。
怖いと噂の『思い出のマーニー』の評価は?
怖いと噂の『思い出のマーニー』の評価には、賛否両論あります。
特に原作と内容が異なることに対して批判的な評価があります。
たとえば原作の舞台はイギリスですが、主人公の名前や容姿は原作とは大きく変更されました。
また作品の途中までは幽霊として描かれていたマーニーが、結局杏奈の妄想の友達だったというオチに納得いかないという声も。
一方何かしらの手段で杏奈が知ったマーニーの記憶を、杏奈が自分の中で追体験していると捉えれば理解できるというプラス評価もあります。
評価を参考に、ぜひ実際に視聴してみてください。
『思い出のマーニー』のアニメ・原作紹介
ここからは、『思い出のマーニー』のアニメや原作を紹介します。
あらすじや魅力を解説します。
ぜひ、参考にしてみてください。
思い出のマーニー
海辺の田舎を舞台に都会から静養に来た少女杏奈が、不思議な金髪の少女マーニーに出会う物語です。
母親絵美里や祖母を亡くし周囲に心を閉ざしていた杏奈が、不思議な存在のマーニーに心を開いていくところが大きな魅力といえます。
サイロで消えたマーニーの正体は何か、制作陣の伝えたいことは何かを考察しながら視聴すると、作品を深く楽しめます。
不思議な雰囲気の作品が好きな人は、ぜひ視聴してみてください。
作品が本当に伝えたいことは何か、考察しがいのあるジブリ作品
公開日 | 2014年7月19日 |
監督 | 米林宏昌 |
出演 | 高月彩良、有村架純、松嶋菜々子 |
思い出のマーニー 上
親を亡くして養父母に心を閉ざしていたアンナは、海に近い田舎町で夏を過ごすことになります。
入り江に住むマーニーと親しくなりますが、誰もマーニーのことを知りません。
読み進める中で、マーニーの秘密がわかる点が魅力的です。
アニメ映画とは異なる雰囲気の挿絵、展開が異なる部分もあるため、映画とあわせて視聴するのもおすすめ。
『思い出のマーニー』をもっと深く知りたい人に読んでほしい原作
発売日 | 2003年7月16日 |
出版社 | 岩波書店 |
著者 | ジョーン・G.ロビンソン |
まとめ
今回は『思い出のマーニー』の裏設定や、作品が伝えたいことは何だったのかを考察しました。
マーニーの正体は絵美里の母親とわかったうえでも幽霊と考えている人が多く、さまざまな解釈ができます。
またサイロでの怖い不思議な描写も意味深です。
評価は賛否両論あり、原作との相違点が気になる人もいるはず。
『思い出のマーニー』が気になっている人は、この機会にアニメと原作の両方をぜひチェックしてみてください。
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