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『この子は邪悪』を考察! 最後の赤ちゃんやタイトルの伏線回収についてネタバレ解説

brown hare on green grass
出典:Unsplash

※本ページにはプロモーションが含まれています

2022年に公開されたJホラー、『この子は邪悪』。
視聴した人の中には、最後の赤ちゃんや純の魂のその後、タイトルの意味など、モヤモヤが残っている人も多いでしょう。
この記事では『この子は邪悪』のあらすじを紹介しながら、作品の伏線回収、ネタバレ考察を行います。
きまずいシーンがあるかも紹介しているので、未視聴の人は目次からその箇所だけ読んでください。

この記事は『この子は邪悪』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

目次

『この子は邪悪』のあらすじ

窪家は夫の司朗、妻の繭子、娘二人で暮らす四人家族。
ことの発端は5年前、窪家は家族旅行の途中で交通事故に遭います。
その後遺症として、繭子は植物状態、次女の月は顔に大きな傷を負ってしまいます。
とある日、繭子の意識が奇跡的に戻りますが、長女の花は繭子の様子に言い知れぬ違和感を覚えました。
そんな窪家に興味を持ち、彼らのことを調べていた少年が、高校生の四井純。
純は花と仲良くなり、やがて窪家の抱える衝撃の真実に迫ります。

【ネタバレ】 奇病の真相とは!?

あらすじのネタバレになりますが、街に蔓延する奇病は司朗が生み出したものでした。
司朗は退行催眠を掛けることにより、人の意識を母親の胎内にいるころまで戻し、魂を肉体から引き離す能力を持っていました。
肉体を失った魂はウサギと入れ換えられるため、退行催眠に掛けられた人はまるでもぬけの殻のようになってしまいます。
司朗が退行催眠のターゲットに選んだのは、子供に虐待をする親ばかリ。
それは毒親を撲滅したいといった司朗なりの正義感からでした。
このような能力を利用して、司朗は繭子や月の魂も別人と差し替えていました。

【ネタバレ】 最後の赤ちゃんの怖い正体

繭子が産んだ、最後の赤ちゃんのシーン。
最後の赤ちゃんは、空を見つめながら手で無限大のサインを描いていました。
ネタバレになりますが、これは司朗が死ぬ間際、お腹の赤ちゃんに向かって無限大を描いていたシーンの伏線回収です。
無限大は司朗が退行催眠を仕掛ける際の糸口でしたが、この方法で司朗は自分の魂を赤ちゃんに移していたのです。
つまり、最後の赤ちゃんが無限大を描いていたのは、赤ちゃんの中に司朗の魂が宿っていることを仄めかしています。
最後の赤ちゃんのシーンは、司朗に生に対する執着が表れた、意味が分かると怖いシーンでした。

結局どの子が邪悪だった? タイトルの意味を伏線回収

ネタバレになりますが、『この子は邪悪』のタイトルが指す「子」は、最後の赤ちゃん=司朗を意味していました。
窪一家は司朗を殺したことで、奇病を断ち切ることができたと安心しているはず。
司朗の邪悪な魂が宿った赤ちゃんがどのように成長するのか、窪家にどんな未来が待ち受けているのか考察するととても怖いです。

純の結末

ラストはあまり純について描写されなかったので、純のその後が気になっている人も多いでしょう。
ここでは純について整理し、純の魂がその後どうなったのかネタバレありで考察します。
伏線回収も要チェックです。

純も被害者だった

純の母親は、かつて司朗の患者でした。
しかし純に対して虐待を行っていたため、司朗によりウサギの魂を移植されていたのです。
純が母から虐待されていた出来事を忘れていたのは、司朗が純の辛い記憶をいじっていたからでしょう。
それでも純が窪家に惹きつけられたのは、記憶の片隅に司朗の断片が残っていたからかもしれません。

純の魂はどうなる? 純のその後は

司朗によって、ウサギに変えられてしまった純。
純の魂は、その後どうなってしまうのでしょうか。
ラストシーンで、母と純の魂が入ったウサギが家に戻っていくシーンは、純の魂がもう元には戻らないことを意味しています。
純はその後も死ぬまで、人間の魂を抱えながら、うさぎとして生きていくことになるでしょう。
純の中に人間時代の記憶があるのか分かりませんが、もし残っていたとしたら非常に怖いです。
純の魂が母と再会できたことだけがせめてもの救いです。

なぜ花はうさぎになった純に冷たかったのか?

花はウサギになった純に対して、見てみぬふりするように冷たくしていました。
作中、ウサギになった純が花にすり寄ってくるシーンがありましたが、花は抱き上げようともしませんでした。
普通なら、純がウサギになったことを悲しんだり、人間に戻る方法がないか必死に調べたりするはず。
しかし結局、花が純を見捨てたのは、人間に戻った純が司朗の悪事を明るみに出すことを恐れたからだと考察できます。
司朗の罪が問われれば、花たちは犯罪者の家族として、世の中から後ろ指を指されことになるでしょう。
家族や自分自身を守るため、花にとっては純にウサギでいてもらったほうが都合が良かったのです。

司朗はなぜ催眠術を悪用したのか?

司朗はもともと子供を虐待から守りたいといった正義感から、毒親たちに退行催眠を掛けていました。
繭子や月に退行催眠を掛けたのも、家族を生き返らせたいという司朗なりの愛の形だったと考察できます。
しかしどんな事情であれ、人の魂を動物に差し替えるのは非人道的な行為です。
最後には自分の身を守るため、何の罪もない純の魂までウサギに差し替えてしまいました。

『この子は邪悪』にきまずいシーンはある?

『この子は邪悪』に、きまずいシーンは特にありませんでした。
グロいシーンや塗れ場などもないので、きまずいシーンが苦手な人でも観やすいでしょう。
きまずいシーンはないですが、一応ホラー映画なので怖いシーンはあります。
また暗い展開もあるので、あまり親しくない人と視聴すると少しきまずくなるかもしれません。

『この子は邪悪』は、あの映画のオマージュ?

『この子は邪悪』には、いろんな映画へのオマージュが込められているといわれています。
例えば月が被っているマスクは、『犬神家の一族』で登場する犬神佐清の白いマスクを受け継いだもの。
月も犬神佐清も共通して、火傷を隠すために白いマスクを被っていました。
また魂を入れ替えるといったストーリーは、黒人の脳を白人に移植する『ゲット・アウト』のシナリオにもよく似ています。

『この子は邪悪』を見る、小説版も紹介!

『この子は邪悪』の映画、小説を紹介します。
きまずいシーンはないので、友人、家族、カップルなど親しい人と視聴するのもおすすめです。

映画 『この子は邪悪』

高校生の純が住む町では、謎の病が蔓延しています。
奇病の原因を探る純は、心理療法士の父と娘二人、植物状態の妻を抱える窪家に出会い、奇病の正体に迫ります。
あらすじだけで怖さが伝えるのは難しいですが、作品の核となるラストの伏線回収がとにかく見事です。
タイトルの意味を考えながら、ぜひ視聴してみてください。

この作品のおすすめポイント

きまずいシーンはないので、友達や家族とも安心して見られる怖い映画

公開日2022年9月1日
監督片岡翔
出演南沙良、大西流星、桜井ユキ
楽天で買う Amazon Prime Videoで観る1,650円 Amazonで買う Yahoo!ショッピングで買う

文庫本 『この子は邪悪』

映画『この子は邪悪』のノベライズ。
文庫本なので、いつでもどこでも読めます。
ホラー映画独特の怖い演出が苦手な人は、まず小説版から入っても良いでしょう。
小説ならじっくり自分のペースで読めるので、じっくり考察を重ねることができます。
映画のシナリオに沿った内容で読みやすいので、小説を普段読まない人にもおすすめです。

この作品のおすすめポイント

登場人物やあらすじの整理に役立つ、『この子は邪悪』のノベライズ

発行日2022年7月8日
出版社徳間書店
著者南々井梢
楽天で買う Amazonで買う693円 Kindleで読む679円 Yahoo!ショッピングで買う

まとめ

今回は映画『この子は邪悪』のあらすじを紹介し、ネタバレありで考察を行いました。
ネタバレになりますが、最後の赤ちゃんのシーンがタイトルの伏線回収になっておりタイトルの意味がわかります。
きまずいシーンはないものの、人間の魂を動物に差し替えるといったストーリーを怖いと感じる人は多かったでしょう。
考察を深めたい人は、記事で紹介した小説版にもぜひ手に取ってみてください。

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