【中学生向け】読書感想文の書き方 構成やコツ、3枚や5枚の時の書き方も
読書感想文は、読んだ本の感想や考えたことを自分の言葉でまとめる文章です。
中学生も中1や中2で、夏休みの課題に書くことが多いでしょう。
しかし、読書感想文を書くのはなかなか難しいものです。
どんな手順で進めれば良いのか、感想はどう伝えれば良いのかなど悩むことがたくさんあります。
そこでこの記事では、中学読書感想文の書き方を解説。
読書感想文の構成やコツ、3枚や5枚の時の書き方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
中学生向けの読書感想文の書き方
中学生向けの読書感想文が難しいのはなぜ?
読書感想文が難しいと感じるのは、いくつかの理由が考えられます。
たとえば、文章量が多くて何を書けばよいかわからない、時間がかかる、書いた文章がまとまりがなく結局何が言いたいかわからない、など。
こうした抵抗感や苦手意識を抱えているため、読書感想文の書き方は難しいと感じやすいのです。
書き方のコツを押さえれば読書感想文が書きやすくなるので、以下の書き方のポイントをチェックしてください。
中学読書感想文の書き方はどう考える?
ここでは読書感想文の書き方の基本的な考え方を紹介します。
文章を書き始める前に、チェックしてみてください。
【中学読書感想文の書き方1】中1? 中2? 中学生は学年ごとで考える
中1や中2など、学年に応じて本のテーマや書く内容を考えるのもおすすめです。
中1の夏は、まだ小学生から進学して間もないので、新しい中学生生活のことも反映させると良いでしょう。
中2になると部活で責任あるポジションについたり、高校受験のことも考えだしたりするので、成長した自分を出せるような内容も考えてみてください。
【中学読書感想文の書き方2】3枚? 5枚? 原稿用紙の枚数で考える
原稿用紙3枚の場合は1200字、原稿用紙5枚の場合は2000字となります。
3枚なのか、5枚なのかなど、宿題の指示をよく確認して、枚数を間違えないようにしましょう。
原稿用紙3枚以内と指示された場合、1枚書いただけでは評価が低くなる可能性があります。
8割の960文字以上は書くように気を付けましょう。
中学読書感想文の構成は?
ここからは中学生が書く読書感想文の構成を記載します。
書き始める前にまず構成を考えることが重要です。
構成を考えてから、文章を当てはめていきましょう。
【中学読書感想文の構成1】導入文(全体の10%)
導入文では、はじめに本を選んだ理由や出会ったきっかけを書きます。
よりインパクトの大きい導入にするには、本を読んで疑問に思ったことや、心に残ったセリフを書くのがおすすめです。
自分の話から始めて、本の内容と絡ませて書くのも良いでしょう。
【中学読書感想文の構成2】あらすじ(全体の10%)
読み手側にどんな本なのか伝えるためにあらすじも書きます。
字数を稼ぐために、あらすじを詳細に書くのはやめましょう。
要点をつかんで簡単に書くのがポイントです。
【中学読書感想文の構成3】感想(全体の60%)
読書感想文の大事なのが「感想」パートです。
印象的だったシーンを具体的に書き、心に残った理由や、登場人物に対して思ったことなどを書いてください。
ここで、自分が主人公だったらどうするかや、自分の経験談を書くと、厚みが出ます。
【中学読書感想文の構成4】締めの文(全体の20%)
締めでは、本を読んで学んだこと、考えたことをまとめます。
自分の素直な気持ちを表現できると好印象です。
これから自分はどうしたいか、自分の考えがどのように変化したかなども書けると、読み手にちゃんと本を読んで考えていることが伝わってきます。
中学生向け読書感想文を書く手順
以下では、中学読書感想文を書く手順を紹介します。
手順を踏めば、簡単に読書感想文を書けるのでチェックしてください。
【中学生向け読書感想文を書く手順1】内容を刻み込みながら本を読む
まず読書感想文を書くことを意識して、本を読むのがポイント。
何度も本を読み返すと時間がかかるため、付箋を貼って読み進めるのがおすすめです。
心を動かされた場面、疑問に思った場面、本を読む前の印象と変わった箇所などを意識してみましょう。
付箋を貼ったところを読み返せば、一冊読み返すよりも時間短縮になります。
【中学生向け読書感想文を書く手順2】書く内容を簡単に整理するためのメモを書く
原稿用紙に文章を書く前に、書きたい内容を簡単に整理するメモを作りましょう。
読書感想文でもっとも伝えたいことを決めてから、その理由や自分の経験談などを掘り下げていくと、唯一の読書感想文になります。
どこで感動したか、なぜ感動したのか、など自分に問いかけながらメモを作成しましょう。
【中学生向け読書感想文を書く手順3】文章構成を考える
ひとつ前に作った構想メモを使って、文章の構成を考えます。
紹介した「導入文」「あらすじ」「感想」「締めの文」に分けて、文章を書いていきましょう。
タイトルは、文章の内容を表し、かつ読み手の興味をひくようなタイトルにしてください。
【中学生向け読書感想文を書く手順4】書いた文章を振り返る
読書感想文を書き終わったら、そのまま提出するのではなく、読み返すことが大事です。
原稿用紙の使い方や誤字脱字、「てにをは」の使い方などに間違いがないかチェックしてください。
もう一度読んでみることで、自分の文章を客観的に見ることができ、新たな考えが浮かぶこともあります。
中学生向けの読書感想文を簡単にうまく書くコツ
ここからは中学読書感想文を簡単にうまく書くコツを紹介します。
自分の体験を入れるなど、ポイントを押さえてよりよい読書感想文を書きましょう。
【中学生向けの読書感想文のコツ1】その本を読んで「何を学んだか」について書く
読書感想文で大事なのは、本を読んで何を新たに学んだか、その考えは今後の自分の生活にどう影響するかを書くことです。
本の中で意外に思ったことや、面白いと感じた部分について書き、自分の考えを書くのも良いでしょう。
【中学生向けの読書感想文のコツ2】 自分の体験や社会生活の実例とからめる
本の内容と、自分の体験や社会生活の実例と絡めるのも感想文を上手く書くコツです。
自分が普段どんな生活をしているか、物語の主人公との共通点はあるか、似た自分の体験があるかなど、振り返って書いてみましょう。
【中学生向けの読書感想文のコツ3】表現力が成長したことをアピールする
中学読書感想文では、小学生の文章よりも高度な文章表現を心がけるのがおすすめ。
ことわざや名言、格言を効果的に使えると教養の深さをアピールできます。
対照的な表現を使用する対句を文章に入れると、ドラマチックな印象になるでしょう。
読書感想文の書き出し例について知りたい人はこちら
読書感想文の題名の付け方はこちらから
中学生向けの読書感想文の例文・お手本をチェック
ここからは読書感想文で中1や中2の生徒が使える例文やお手本を紹介します。
お手本を丸写しするのではなく、自分の体験を入れてアレンジして使ってみましょう。
【中学生向けの読書感想文】導入文の例文・お手本
最初の約10%は導入文の部分。
本に出会ったきっかけや、本を読む以前の自分について書きましょう。
誰でも書ける内容ではなく、自分の体験談を入れたオリジナルの導入文が書くのも良いです。
読み手が興味を引かれるような導入文にできるように工夫してください。
(例文)
中1の頃、私は飼い犬を亡くした。家族の一員を失った悲しみはまだ癒えておらず、そんな中、駅前の書店で平積みされていた可愛い犬が表紙の本が目に留まった。
【中学生向けの読書感想文】あらすじの例文・お手本
導入文の次はあらすじを簡単にまとめましょう。
あらすじを詳しく書きすぎて本の紹介文にならないように、要点をかいつまんで書いてください。
(例文)
この本は、記憶が80分しかもたない数学者の博士と、彼のもとにやってきた家政婦とその息子の交流の物語です。家政婦は博士の数字の世界を分かろうと歩み寄り、互いに大切な存在になっていきます。
【中学生向けの読書感想文】感想の例文・お手本
全体の60%ほどは、メインの「感想」の部分です。
読書メモを活用するのがおすすめですが、箇条書きにならないようにしましょう。
感想を書く際には、なぜそう思ったのか、自分はどう考えるのかなど話を深めていくのがポイントです。
(例文)
この本を読んで僕は人間のエゴについて考えた。主人公は自分が地獄から助かりたいゆえに、他の人たちを蹴落とす発言をした。しかし自分も同じ立場だったら同じ行動をしていたかもしれない。
【中学生向けの読書感想文】まとめの例文・お手本
最後の20%ほどは、まとめ(締め)の部分を書きます。
本を読んで考えたことや自分の変化、今後どのように学んだことを生かしていくかをまとめると良いでしょう。
(例文)
この物語を読むまで、僕は目に見えるもの、分かりやすいものしか人生で重要ではないと考えていた。しかし、そう考えていることも自分の色眼鏡によるものだと気が付いた。
【中学生向けの読書感想文】文字数が足りない時の対応法
あともう少しで原稿用紙が埋まりそうなのになかなか埋まらない、ということはありませんか。
ここからは、文字数を増やすアイデアを紹介します。
【読書感想文の枚数が足りない時の対応法】斬新な切り口を入れる
感想文の切り口を変えて、書いてみるのもおすすめです。
例えば、「なぜ『永遠のゼロ』という本のタイトルを付けたのか」など、タイトル名を考察する方法など。
または、「この本のメッセージは何か」について別のもので置き換えて伝えるのもアイデアです。
例えば、「この本のテーマを色で表すと×色である」など。
【読書感想文の枚数が足りない時の対応法】言い回しや表現方法を工夫する
言い回しや表現法を変えるのも一つのアイデアです。
「例えば」「もし」を追加して内容をプラスしたり、「なぜなら」で理由を書いたりすることができます。
または、「これまでの私は」「以前○○の事件があったが」「最近の研究結果で」など、異なる角度から考察できる語句を挿入するのもおすすめです。
【読書感想文の枚数が足りない時の対応法】原稿に清書する時の注意点
原稿用紙に清書する際は、原稿用紙の使い方や表記ルールに気を付けましょう。
例えば、「苗字と名前の間は一マス空ける」「段落の始めは一文字下げる」「段落が変わるときは改行する」など。
語尾の統一にも注意してください。
「です・ます」調か「だ・である」調のどちらかに統一しないと読みづらくなってしまいます。
ペンで書いたものを提出する必要がある場合は、先に鉛筆で下書きし、上からペンでなぞりましょう。
こちらの本もおすすめ
読書感想文でどんな本を選べばよいか悩んでいる人には、以下の本がおすすめです。
どれも読みやすく、中学生が親近感を持って読める作品なので感想を書きやすいでしょう。
カラフル
死んだ「ぼく」は、自殺を図った少年・真の体にホームステイすることに。
その間に、生前の記憶がない「ぼく」は自分の罪を思い出す必要がありました。
真として過ごすなかで、さまざまな人と関わり、人が色んな側面を持っていることに気が付きます。
軽やかな文体で読みやすく、生きることについて考えさせられる青春小説です。
魂のホームステイで、客観的に人生を眺めることの大切さを知れる本
発売日 | 2007年09月04日 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 森絵都 |
図書館戦争
架空の日本を舞台に、本の自由を守ろうとする人々の戦いや恋の物語です。
公序良俗を乱す表現を規制する「メディア良化法」が成立してから、日本では行き過ぎた検閲が行われるように。
本の自由を守る図書隊に入隊した笠原郁は、憧れの図書隊員に再会しますが、彼は超鬼教官で…。
読書感想文では、表現の自由について自分の意見を書いてみるのもよいでしょう。
ラブコメ要素もありつつ、表現の自由を問いかけるハラハラドキドキな作品
発売日 | 2011年4月23日 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 有川浩 |
銀河鉄道の夜
宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』も読書感想文におすすめ。
孤独でいじめられっ子の少年ジョバンニが親友のカムパネルラと銀河鉄道に乗り旅をする物語です。
ジョバンニは、幻想的な旅での出会いを通して、幸せとは何かを考えていきます。
車窓からの美しい情景描写にも注目です。
親子で読んで、どんな感想を持つか話し合ってみるのもよいでしょう。
本当の幸せとは何かや自己犠牲について問いかける不朽の名作
発売日 | 1969年7月19日 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 宮沢賢治 |
西の魔女が死んだ
中学校に行けなくなった主人公・まいは、西の魔女といわれる田舎のおばあちゃんの元で過ごすことに。
まいは、おばあちゃんから魔女になる手ほどきを受け、自分で考えて決めることの大切さを教わります。
おばあちゃんが教える、生きるためのヒントが多く登場し、思春期の子供が読むのにぴったり。
まいの成長とおばあちゃんの愛情に心を打たれる作品で、読書感想文におすすめです。
美しい情景描写や、人間味あるおばあちゃんとの関係に心を動かされる物語
発売日 | 2001年8月1日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 梨木香歩 |
坊っちゃん
夏目漱石の初期の代表作で、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」の書き出しで有名な本作。
都会から四国・松山の中学校に数学教師として赴任してきた”坊ちゃん”は、理不尽な目にあうなかでも、不器用ながら常に真っすぐであろうとします。
無鉄砲で少し傍若無人な”坊ちゃん”、卑怯な赤シャツなど、登場人物が個性的なのも面白いポイント。
文章がリズミカルでテンポよく読める作品です。
正義感が強い坊ちゃんが田舎の学校で起こすドタバタの喜劇
発売日 | 1950年2月2日 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 夏目漱石 |
まとめ
今回この記事では、中学読書感想文の基本的な構成や、お手本の例文や簡単に書くコツを紹介しました。
読書感想文をスムーズに書くには、本の読むときから読書感想文を意識するのが大事。
中1、中2など学年ごとや、原稿用紙3枚や5枚の時の書き方にも注意する必要があります。
読み終わったら、いきなり原稿用紙に書くのではなく、付箋や読書メモを活用しましょう。
自分の体験談や上手く書けるコツや取り入れて、自分が納得する読書感想文を完成させてください。