『トゥルーマンショー』を考察! あらすじや指でクロスの意味、怖いシーンや名言も
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「もしも自分の生きている現実は作り物で、本当の世界は別にあったら」、そんな想像をしたことはありませんか。
つらいことや嫌なことがあったとき、「これは夢だったらいいのに」と思ったことがある人もいるでしょう。
そんな想像や願いをテーマにした映画作品が『トゥルーマンショー』です。
ここからは、同作のあらすじや魅力をじっくり紹介します。
この記事は『トゥルーマンショー』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。
【トゥルーマンショー】あらすじを紹介
保険会社で働く青年・トゥルーマンは、シーヘブンという小さな島で暮らしています。
彼が小さい頃、父カークは嵐の海に落ちて死んでしまいました。
それ以来、トゥルーマンは水恐怖症です。
しかし、彼には「いつか島を出て広い世界を冒険してみたい」という夢があるのでした。
ある日、新聞を買ったトゥルーマンは人ごみの中に死んだはずの父の姿を見つけます。
父らしき人物はすぐに何者かに連れ去られてしまうのでした。
【トゥルーマンショー】キャスト一覧
「トゥルーマンショー」はキャストの豪華さでも注目を集めた作品です。
個性豊かな実力派俳優が名を連ねるキャスト陣について、詳しく紹介します。
トゥルーマン・バーバンク/ジム・キャリー
主人公のトゥルーマン・バーバンクは、コメディ俳優としても実績のあるジム・キャリーが演じています。
表情豊かで細やかな感情表現を得意とする彼の演技は、トゥルーマンというキャラクターを素朴でリアルに感じさせることに成功しました。
現実世界のどこかに居そうな存在としてトゥルーマンというキャラクターが際立っています。
クリストフ/エド・ハリス
「トゥルーマンショー」のプロデューサーで、トゥルーマンの人生をコントロールする人物です。
リアルを追求した本物の作品をつくりたいという思いから、テレビ番組「トゥルーマンショー」を始めます。
演者のエド・ハリスは、「ゴールデングローブ賞」の助演男優賞を受賞したことでも話題を集めました。
メリル・バーバンク/ローラ・リニ
トゥルーマンの妻で幼馴染です。
小さいころからトゥルーマンと一緒に過ごしてきたため、彼に嘘をつくことに罪悪感を持っています。
キャストのローラ・リニは、『ラブ・アクチュアリー』や『ハドソン川の奇跡』をはじめとする有名映画に多数出演している俳優です。
マーロン/ノア・エメリッヒ
トゥルーマンの親友で7歳からのつき合いという幼馴染です。
自動販売機の補充の仕事をしており、「島を出たい」という夢を持つトゥルーマンに、島の居心地の良さを説きます。
トゥルーマンが周囲を疑い始めたとき、マーロンは「俺はお前に嘘はつかない」とはっきり言うのですが、これも嘘でした。
シルヴィア/ナターシャ・マケルホーン
トゥルーマンが学生時代に恋に落ちた女性で、当時はローレンと名乗っていました。
トゥルーマンと接点のない配役でしたが、彼に好意を寄せられ、シルヴィアも惹かれていきます。
トゥルーマンショーの世界で唯一、真実を口にした人物です。
台本にない行動をとったことで、父親を名乗る男に連れ去られてしまいました。
【トゥルーマンショー】張られた伏線の考察
映画「トゥルーマンショー」の中には、さまざまな伏線が張られています。
細かすぎて気づかないものもありますが、一つ一つ見ていくと、作品をより楽しむことができるのです。
作中の伏線について考察してみましょう。
巨大な照明が空から落ちてきた訳は?
ある日突然空から落ちてきた照明には、「シリウス」と書いてありました。
番組スタッフが誤って落としてしまったようです。
これは結果的に、「星だと思っていたものは、実はただの照明かもしれない」という気づきを与えるきっかけになりました。
太陽や星など、直接確かめたことはないけれど当たり前だと思っているものについて、現実世界の私たちに向けたメタファーにもなっています。
キッチンにあったビタミンDのボトル
トゥルーマンの家のキッチンを映したシーンで、ビタミンDのボルトが写り込んでいます。
トゥルーマンは、本人は知りませんが巨大なセットの中で生きている人間です。
そこでは太陽も月も、天候すらも偽物で、スタッフにコントロールされています。
本物の日光を浴びることのないトゥルーマンは、体内でビタミンDを生成することができないため、サプリメントで補っていることが示唆されています。
結婚写真で奥さんがしていた「指でクロス」
トゥルーマンの妻・メリルは結婚写真の中では指でクロスをつくっています。
これは嘘をついたとき神に許しを請うためのポーズです。
つまり、メリルは「トゥルーマンショー」の世界でトゥルーマンを騙し、嘘の結婚までしたことに罪悪感を覚えています。
指でクロスをつくることで、「トゥルーマンショー」に限らず、日常生活でも嘘をついたときに神に許しを請うことができるのです。
【トゥルーマンショー】日本人が登場している?
「トゥルーマンショー」は世界規模で放送されているテレビ番組という設定なので、当然日本人の視聴者も描かれています。
特に印象的なのは画面にかじりつく日本人親子です。
彼らの背景には掛け軸のようなものがかけられ、母親はトゥルーマン・トレーナーを着ています。
日本人男性は『パール・ハーバー』にも出演した俳優の「ユウジ・オクモト」が演じました。
【トゥルーマンショー】その後の考察
物語は、トゥルーマンが偽りの世界に気づき、「外の世界」へ出ていくところで終わりを迎えます。
トゥルーマンがこれまで知らなかった外の世界で暮らしていくことは、簡単なことではないでしょう。
しかし、唯一真実を教えてくれた女性・シルヴィアとの再会を予期させ、トゥルーマンの今後が暗いものではないという印象を与える終わり方でした。
【トゥルーマンショー】名言
「人生とは」「生きるとは」を深く考えさせる作品である「トゥルーマンショー」には、様々な名言が登場します。
ここからは、作中を彩る印象的な名言を紹介していきます。
おはよう!念のために、こんにちは、そしてこんばんは!
トゥルーマンが毎朝、近所の人に言う挨拶の言葉です。
明るい笑顔で挨拶を交わすトゥルーマンショーの善性と前向きさがにじみ出ています。
一方で、一人鏡に向かって自問を繰り返す際にも使われており、狭い世界で生きていくしかない諦めを込めた言葉でもあるのです。
この言葉は、トゥルーマンがショーの世界を飛び出し、非常扉から外の世界へ踏み出して行くときにも使われました。
ずっとお前のことを見てきたんだよ。生まれたとき、初めて歩いたときも
番組のプロデューサー・クリストフが、初めてトゥルーマンに語りかけたときの言葉です。
クリストフにとって、生まれた瞬間から見守ってきたトゥルーマンは我が子同然だと言えます。
常にプロデューサーとして番組をスムーズに進行させることを重視してきたクリストフ。
初めて素の自分を出して、父親のような目線でトゥルーマンに対峙した瞬間でした。
だれか助けて!僕、気ままになっちゃうよ!
自分の周りの人間が決められた台本通りに動いていて、自分自身も作られた世界で生きていることに気づいたトゥルーマンが叫んだ言葉です。
メリルを乗せて車を暴走させながら、自分と周囲への苛立ちをあらわにしたシーンでした。
周囲にコントロールされて動くのではなく、ありのまま、気の向くままに自分の意思で動きたいという気持ちが込められています。
怖い?気持ち悪い?この作品で伝えたいこと
この作品は、ある人物の人生をコントロールし、それをその他大勢がエンタメとして楽しんでいます。
歪な世界観のため、「気持ち悪い」「怖い」といった嫌悪感を抱く人が少なくありません。
しかし、本作では「自由を求める勇気」も描かれています。
自由を求めて未知の世界に飛び込んでゆくトゥルーマンの姿に勇気をもらえる作品です。
観終わった後はポジティブな気持ちになれる、魅力的な物語だと言えるでしょう。
トゥルーマンショー
小さな島で暮らすトゥルーマン。
実は彼の人生は、テレビ番組「トゥルーマンショー」として生放送されていたのです。
トゥルーマンは、やがて自分を取り巻く世界が偽りだと気づきます。
本作の魅力は、トゥルーマンが真の自由を求めて歩み始める姿を丁寧に描いている点です。
作られた幸せではなく、自分の力で人生を切り開く勇気の尊さを感じられます。
一歩踏み出す勇気が欲しい人、今の環境を変えたい人におすすめの作品です。
自分の力で人生を切り開くことの大切さを教えてくれる作品です。
公開日 | 1998年6月1日 |
監督 | ピーター・ウィアー |
出演 | ジム・キャリー、ローラ・リニー、エド・ハリス |
まとめ
「人生の全てが偽りだったら」という設定がユニークな本作。
ジム・キャリーの素晴らしい演技力を楽しめる人間ドラマでもあります。
トゥルーマンの生き様や願いを「視聴者」と一体となって見守る臨場感、予期せぬ展開へのドキドキ感など、心揺さぶられる展開も魅力。
観終わった時、きっとあなたの心にも自由を求める勇気が灯っていることでしょう。
爽やかな感動作、明るいコメディ作を観たい時は本作がおすすめです。
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