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『ショーシャンクの空に』は後味悪い? 伏線やラストの考察、矛盾点の解説も

ショーシャンクの空にの考察を紹介 伏線についても
出典:Pixabay

※本ページにはプロモーションが含まれています

名作として評価され愛され続ける映画『ショーシャンクの空に』。
銀行員だったアンディが乱暴者のボグズや刑務官からの嫌がらせに負けず、生きる様子が描かれています。
伝えたいことは何か、最後の結末は後味悪いのかなど、様々な考察や解説がされてきた作品です。
今回は、そんな「ショーシャンクの空に」のネタバレありで考察をします。
あらすじやラストに向けた伏線の意味、矛盾、主要キャストについても解説するので、ぜひチェックしてみてください。

この記事は『ショーシャンクの空に』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。

目次

『ショーシャンクの空に』の簡単なあらすじと評価

barbed wire

『ショーシャンクの空に』は、妻とその愛人を亡き者にした犯人と誤解された銀行員が、刑務所の中で無実を訴えて奮闘するヒーマンドラマです。
1994年に公開された当時は評価が高くありませんでしたが、アカデミー賞で7部門ノミネートしたことで評価がされるようになります。
2015年には、アメリカ議会図書館で高く評価され、保存されることが決まりました。
上映時間は142分、監督はフランク・ダラボンです。

登場人物とキャスト

ここからは、『ショーシャンクの空に』で見事な演技をみせた登場人物とキャストを解説します。
このほかにもボグズ役のマーク・ロルストンをはじめ高く評価されているキャストが多い点も本作品の魅力です。

アンディ・デュフレーン (ティム・ロビンス)

主人公のアンディは優秀な銀行員でしたが、妻とその愛人を銃で撃った犯人として刑務所に入れられます。
真犯人の存在を訴え続けるアンディでしたが、同じ刑務所のボグズに無理矢理関係を迫られたり、刑務官の不正経理を手伝ったりと災難に遭います。
キャストは、音楽家としても活動しているティム・ロビンスです。

エリス・ボイド・“レッド”・レディング (モーガン・フリーマン)

アンディと刑務所で親しくなる、囚人レッドは実力派国際俳優のモーガン・フリーマンがキャストをしました。
レッドは情報通で、刑務所内からは調達屋として注目されている人物です。
最後の結末やあらすじ、映画が伝えたいことにも大きく関係するキャラクターと言えます。

サミュエル・ノートン (ボブ・ガントン)

サミュエル・ノートンは、『ショーシャンクの空に』で刑務所の所長を務めているです。
熱心なキリスト教徒である反面、アンディやボグズらに厳しく当たります。
キャストは、演技力の高さが評価され続けているボブ・ガントンでした。

トミー・ウィリアムズ (ギル・ベローズ)

ギル・ベローズ演じる、トミー・ウィリアムズはショーシャンク刑務所の囚人の1人。
妻子持ちにもかかわらず罪を重ね刑務所暮らしを繰り返していますが、陽気な愛されキャラです。
アンディの助けを受けながら高卒資格を取得するといった、努力家の一面も。

『ショーシャンクの空に』のあらすじをおさらい!(ネタバレ注意)

a police hat sitting on top of a box

ここからは、『ショーシャンクの空に』の最初からラストまでのあらすじを紹介します。
最後の結末を忘れてしまった人や改めてあらすじを確認したい人は、ぜひチェックしてみてください。

あらすじ1

優秀な銀行員だったアンディは、妻と愛人を撃ち殺した犯人に疑われます。
真犯人の存在を訴えるものの、刑務所行きに。
最初は刑務所に馴染めないアンディでしたが、情報通のレッドと仲良くなってから段々と打ち解けるように。
また、ひょんなことから、銀行員の知識を活かして主任刑務官ハドリーの遺産相続の問題を解決。
仲間にビールを与えてもらい、一目置かれる存在になります。

あらすじ2

アンディは、ノートン所長から図書係に任命されて、税金処理や不正経理を手伝うことになりました。
そこで、長年一人で図書係をやっていたブルックスと交流を深めます。
そして、ブルックスは50年間刑務所で服役していましたが、仮釈放されることに。
社会復帰したブルックスでしたが、社会の変化についていけず、最後は自ら命を絶ちます。
アンディは増設された図書館の名前をブルックス記念図書室と名付け、死を悼みました。

あらすじ3

アンディは新しく刑務所に入所したトミーと親しくなります。
トミーはアンディの事件の真犯人を知っているようでした。
思い切ってノートン所長に事件の再審請求を依頼したアンディ。
しかしアンディが釈放されると考えたノートン所長の思惑もあり、再審請求は却下されました。
反省のために、アンディは懲罰房へ入れられます。
真犯人を知っているトミーは、ノートン所長命令でハドリー刑務官の手で射殺されました。

【ラスト】あらすじ4

懲罰房から出てきたアンディは、どこか気がふれた様子。
そして、アンディは唐突にレッドに昔からの夢を語ります。
急に夢を語り始めるアンディに戸惑うレッドでしたが、お互いに絆を再認識する二人。
翌日、アンディは衝撃の行動に出るのです。
冤罪の男が全員の目を欺いて、20年間かけて行った行動に心を掴まれるでしょう。

【伏線解説】脱獄穴で脱獄するラストまで

black window frame on dim light

ここからは、アンディが脱獄穴から脱獄する最後の結末までのあらすじに登場した伏線の意味を解説します。
ぜひ伏線解説をもとに、もう一度『ショーシャンクの空に』を最初からラストまで見返してみてください。

調達屋と呼ばれる囚人レッドにロックハンマーを依頼

アンディは、刑務所に入ったばかりの頃に趣味の鉱物を砕きたいと小さなロックハンマーの調達をレッドに依頼します。
この時点で、すでに結末に向かう伏線が張られていたと言えるでしょう。
映画の結末を知った上で見返すと、伏線が伝えたい意味が理解できます。

アンディは彫刻が趣味

アンディは彫刻が趣味で、ロックハンマーを使いチェスの駒を作っていました。
このシーンを解説すると、ラストの脱獄という結末を迎えるために、アンディが刑務所内で印象操作をする意味だと考察できます。

女優のポスターで壁の穴を隠す

アンディは、女優のリタ・ヘイワースのポスターをはじめそのとき旬の女優のポスターを部屋に貼っていました。
この行動に関する伏線の意味を解説すると、最後の結末に向けて周囲から脱獄穴を隠していたということです。

ノートン所長の好きな聖書

聖書の中にロックハンマーが隠されていました。
またノートンの好きな一説として「わたしは世の光である。わたしに従って来る者は、やみのうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」が登場します。
このわたしはノートンで、従ってくる者はアンディだと考察できます。
登場する「主の裁きは下る。いずれ間もなく」は、ノートンへの裁きの伏線と言えるでしょう。

後味が悪いと言われる理由は?

a person laying on the ground under a street light

『ショーシャンクの空に』は、作中やラストの展開が後味悪いと評価されることがあります。
なぜなのか、理由を解説します。

真犯人は不明のまま

アンディは自身の無実を訴えているものの、真犯人は分からないまま最後の結末を迎えました。
作中では真犯人はエルモだという説が出てきます。
しかし、殺害現場の証言が異なることから、エルモが真犯人と断言できません。
アンディ自身が犯人の可能性があり、後味悪いと評価されています。

アンディは脱獄の罪を犯し、所長の裏金を私物化

物語の最後でアンディは脱獄し、所長の裏金を私物化することに成功しました。
アンディの脱獄の罪は最後の結末では問われず、所長は悲惨な最後を迎えます。
アンディにとってはラストの展開はハッピーエンドですが、アンディが犯人という説も濃厚です。
悪人が幸せになるラストに後味悪いと感じる人が少なくありません。

ボグズらから狙われるから

アンディは、刑務所に入所してからボグズとその仲間に無理矢理体の関係を求められます。
ボグズの言動は当初看守も見て見ぬふりをしていて、後味悪いものでした。
最終的にボグズはハドリーによって排除されますが、その結末も後味悪いと感じた人が多かったようです。

『ショーシャンクの空に』の気になる矛盾点

reflection, brick road, rain

様々な伏線のある『ショーシャンクの空に』ですが、一方で意味を考察しても分からない後味悪い矛盾点もあります。
ここからは、気になる矛盾点を紹介します。

壁の穴を隠すポスターを裏側からどう貼り直した?

アンディは単独で脱獄に成功していて、壁の穴を隠すポスターを裏側からどうやって貼り直したのか不明なまま、ラストの結末を迎えます。
物語のあらすじには大きく影響しない矛盾ですが、気になる人も多い点です。
この矛盾は、監督自身も認めています。

エルモがトミーを真犯人と訴える証言の矛盾

エルモは、トミーがアンディの妻とその愛人を殺した真犯人だと考えていた人物です。
エルモが語る事件現場は、検事の説明と矛盾します。
また遺体には怨恨と考えられる銃跡があり、強盗目的で侵入したと証言するエルモの言動と矛盾していました。
真犯人は最後まで不明で、後味悪い矛盾と言えます。

『ショーシャンクの空に』が伝えたいこと

silhouette of person standing on rock surrounded by body of water

『ショーシャンクの空に』が伝えたいことは、「希望」や「必死に生きる」ことだと言えるでしょう。
映画には「希望は素晴らしい。何にも替え難い。希望は永遠の命だ。」という手紙が登場しました。
無実を訴え続けたアンディが自由を手にした最後の結末から考察すると、夢のために必死に生きる、つまり実際に行動する大切さを教える映画と言えます。

『ショーシャンクの空に』を観る

公開日 1995年6月3日
監督 フランク・ダラボン
出演ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
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まとめ

今回は、評価の高い『ショーシャンクの空に』をネタバレありで考察や解説をしました。
後味悪いや矛盾の多い映画であると評価されることがあります。
しかし、伝えたいことは魅力的で、最後の結末で自由を手に入れた主人公の行動力から勇気をもらえる作品と言えます。
『ショーシャンクの空に』が気になっている人は、作品が伝えたいことやシーンの意味を考えながら、ぜひ視聴してみてください。

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