難解映画『シャッターアイランド』を考察! キャストやあらすじ、本当の結末も
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ミステリー映画『シャッターアイランド』は公開時「ネタバレ厳禁」と呼びかけていました。
「本当の結末に驚く」「何度見ても楽しめる作品」「伏線回収が見事」という声も多く、複雑なストーリーを楽しめる映画です。
この記事では当時伏せられていた本当の結末について解説し、その伏線の一覧やあらすじ、主要キャストを紹介します。
あわせて『シャッターアイランド』は実話なのかといった、疑問にも答えます。
映画『シャッターアイランド』とは
2010年公開のハリウッド映画『シャッターアイランド』。
レオナルドディカプリオ主演、マーティン・スコセッシ監督のサスペンス映画です。
原作はデニス・ルイヘン作の同名の小説。
1954年のアメリカ・ボストン港の孤島「シャッターアイランド」が舞台になっています。
連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルドディカプリオ)とチャック・オール(マーク・ラファロ)が精神病院の事件の謎を解いていくというあらすじです。
『シャッターアイランド』は実話?
『シャッターアイランド』は実話に基づいた作品ではないですが、史実を一部描写しています。
例えば主人公テディが米軍のユダヤ人強制収容所の解放部隊に参加し、ドイツ兵捕虜の射殺を目撃したシーン。
これは「ダッハウの虐殺」として知られる実話です。
テディは現実と妄想を区別できないキャラクターとして描かれているため、あえてこのような実話が作品に織り交ぜられていると考えられます。
『シャッターアイランド』の魅力
まるで実話のような生々しさと、緻密に練られたストーリー構成が魅力ですの『シャッターアイランド』。
最後まで観ると「怖いけどもう一度見直したい」シーンが多くあります。
「シャッターアイランド」の魅力を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
名優レオナルドディカプリオ×名匠マーティン・スコセッシ
主演のレオナルドディカプリオは『タイタニック』などの出演で有名です。
本作の監督・マーティン・スコセッシは『タクシードライバー』『ハスラー2』などが代表作。
今回2人は4度目のタッグで安心と信頼の制作体制ですが、スコセッシ監督は初めての本格ミステリーでした。
怖い? 伏線回収が見事な難解映画
本作は冒頭からクライマックスに至るまで多くの謎が張り巡らされています。
主人公・テディの夢の中と現実がつながる奇妙な描写、人の大脳の神経に手を加えるロボトミー手術など、怖いシーンや設定が明らかになっていきます。
ラストにすべての伏線回収、本当の結末を迎えたとき、難解映画と呼ばれる理由が分かるでしょう。
『シャッターアイランド』の主要キャストを紹介
レオナルドディカプリオをはじめ、『シャッターアイランド』に登場する主要キャストを紹介します。
以下のキャストが演じる役はそれぞれ結末の鍵を握っているので、彼らの一言一句にも注目してみてください。
レオナルドディカプリオ (テディ・ダニエルズ)
主人公のテディを演じるキャストは、レオナルドディカプリオ。
テディの心の内にある、狂気と優しさの両面を迫真の演技で表現しています。
ラストのシーンで見せるテディのミステリアスな表情には、胸が苦しくなってしまうでしょう。
マーク・ラファロ (チャック・オール)
テディのボスとして登場するチャック・オールを演じるキャストは、マーク・ラファロ。
チャックは一見脇役として描かれていますが、テディとシャッターアイランドを結び付ける影のキーパーソンです。
結末では、テディに対して衝撃の真実を打ち明けます。
ベン・キングズレー (ジョン・コーリー医師)
ベン・キングズレー演じるジョン・コーリー医師は、シャッターアイランドの院長。
スキンヘッドと、どこか冷たい目つきが印象的な登場人物です。
ジョン・コーリー医師は非人道的な外科手術であるロボトミー手術を推進する立場にいますが、それが後々作品の展開に大きく関わります。
ミシェル・ウィリアムズ (ドロレス・シャナル)
テディの妻、ドロレス・シャナルを演じているキャストは、ミシェル・ウィリアムズ。
テディの妄想の中に繰り返し登場しますが、彼女は単なる幻覚なのでしょうか?
作品にゴースト映画のような陰湿な空気感を加味する、印象的な登場人物です。
ジャッキー・アール・ヘイリー (ジョージ・ノイス)
ジョージ・ノイス役のキャストは、ジャッキー・アール・ヘイリーです。
彼はシャッターアイランドの中でも、最も危険な患者が収容されているC棟に監獄されている患者。
作中でC棟に訪れたテディと絡むシーンがありますが、そこでジョージがテディに向けた意味深な発言に注目です。
『シャッターアイランド』あらすじ1
アメリカの孤島「シャッターアイランド」にある犯罪者が収容された「アッシュクリフ精神病院」が舞台。
連邦保安官のテディと相棒・チャックは、脱走した女性患者の事件捜査のため島に訪れました。
逃走したレイチェルを探すためスタッフや患者に聞き込みを始めるテディは「アンドリュー・レディス」という人物についても調べている様子でした。
チャックが聞くとテディの妻を殺した放火魔・レディスがこの病院に収容されていているというのです。
しかもこの病院ではロボトミー手術を使った人体実験が行われおり、この証拠を掴んで世間に公表することがテディの目的でした。
『シャッターアイランド』あらすじ2 (ネタバレ注意)
立ち入り禁止のC棟で出会った患者から人体実験は灯台で行われていると知り灯台へ向かいました。
途中テディはチャックとはぐれてしまいます。
灯台の部屋にたどり着いたテディは、院長のコーリーと対面する。
コーリーが語った真実は「テディは2年前からこの病院の患者で、本名はアンドリュー・レディスである」ということでした。
そこにチャックが現れ正体は「テディの担当医シーアン」だと明かします。
この数日間の出来事はすべてテディの妄想を本当に再現して正気に戻すという治療の一環だったのです。
すべての真実を思い出したテディ(レディス)でしたが、回復の兆しが見られず、最後にはロボトミー手術を受けるために職員に連れられていったのでした。
『シャッターアイランド』伏線一覧と考察を解説(ネタバレ注意)
ラストまで観て「本当の結末」を知った人はもう一度見直して伏線部分を確認したくなるのではないしょうか。
そんな人のために伏線を一覧にしました。
考察、解説とともにぜひ最後までご覧ください。
【ネタバレ注意】相棒チャックの正体と伏線
相棒・チャックの正体はテディの担当医シーアンでした。
捜査時はあきれ顔でもテディが体調不良の際に迅速に対応していたのは主治医だったからなのです。
聞き取り捜査の際に「シーアン先生はどんな医師?」と質問をされた看護師がチラッとチャックを見てから答えています。
冒頭では保安官のはずなのに銃の扱いが不慣れな様子も見られます。
【ネタバレ注意】捜索隊がだらけているように見える
凶悪犯のレイチェルが脱走したというのに捜索隊はやる気がなく、ちゃんと探している様子はありません。
これはテディのロールプレイング治療の一環に付き合わされてわざと演技していたからです。
【ネタバレ注意】テディへの老婆のコンタクト
テディが初めて精神病院に入った際に、老婆が意味深に人差し指を唇にあて「シー」という仕草をします。
テディは本来この病院の患者でこの老婆とも面識があるのです。
そのため「あ、これはロールプレイングの治療だから話したらだめだった!」と老婆は無邪気に振る舞っていただけなのです。
【ネタバレ注意】コーリー医師の「溺死」発言
テディは妻を「火災で亡くした」と思い込んでいました。
本当は「妻が子どもを溺死させ、自分が妻を射殺した」のです。
妄想から目を覚まさせるために、コーリー医師はわざと「溺死」と発言しました。
そしてテディの反応を窺うように話しています。
【ネタバレ注意】レイチェルのメモ「4の法則 67番目は誰?」とは
テディに本当の自分を思い出してもらうために医師が仕込んだメモだと考えられます。
4の法則=4人の名前がアナグラム(スペルを入れ替える暗号)のことです。
ANDREW LAEDDIS(レディス)=EDWARD DANIELS(テディ)、DOLORES CHANAL(ドロレス)=RACHEL SOLANDO(レイチェル)。
67番目は誰=テディ(レディス)のことです。
【ネタバレ注意】火の場面は妄想、水の場面は現実?
映像中「火」と「水」が意味深に使われるシーンが多くあります。
「火」はテディの妄想のシーンで使われています。
妻は射殺ですが妄想では焼死です。
ジョージ・ノイスと話す際は何度もマッチを点け、火が消えても相手の顔はよく見えるという不思議なシーンでした。
洞窟で会った本物のレイチェル(?)のシーンも焚火が印象的でした。
反対に「水」は子どもが溺死したトラウマで、対面しなければならない〝現実〟を表しています。
【ネタバレ注意】最後わざと治療失敗を演じた?
ラストシーンでレディスがシーアン医師のことを「チャック」と呼び妄想の話を始めたことから治療失敗と判断、ロボトミー手術をすることになりました。
しかしレディスは「モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」と発言します。
これは今の自分の精神が異常なモンスターだという自覚がなければ出ないセリフでしょう。
正気に戻ったレディスは自らロボトミー手術を受けることを選んだと解釈できます。
【ネタバレ注意】タイトルに隠された秘密
映画のタイトル『shutter island』はアナグラムで並べ替えると『Truths and Lies』(真実と嘘)と読めるのです。
アナグラムによって隠されていた真実の自分と嘘の妄想の物語である本作を表すタイトルに相応しい作者のトリックです。
【ネタバレ注意】ロボトミー手術とは?
ロボトミー手術とは、頭にメスを入れ前頭葉の神経を切除する外科手術のことです。
意思がなくなり、怒りや悲しみなどの衝動を抑えると言われ、凶暴な精神病や自殺癖のあるうつ病患者に行われました。
1950年代のアメリカではロボトミー手術は合法でした。
後遺症や死亡リスクの高さから現在は禁忌とされ「最悪のノーベル賞」と言われています。
【ネタバレ注意】本当のラストとは? テディは本当に保安官だった?
物語をストレートに受け取ると保安官テディの正体は精神病患者レディスだったという話なのですが「本当の結末」についてもう一つ捉え方があります。
「すべては病院側の陰謀で、本当に保安官であったテディが洗脳されてしまった」という説です。
この説は「洞窟にいた本物のレイチェル」がキーポイント。
もし彼女が妄想ではなく実際にいた人物だとしたら?
頭痛薬やタバコは洗脳を促す薬物だったのかもしれません。
【ネタバレ注意】C棟にいたジョージ・ノイスの正体とは?
テディがジョージを撲殺しようとしたことで、ジョージはC棟に移動させられたと考えられます。
それを裏付けるシーンとして、暴行により傷を負ったジョージに対してテディが「誰がやった?」と聞くと、ジョージは「お前さ」と答えています。
それ以外にもコーリー院長がテディに対して「2週間前、彼の言葉に怒った患者にメタメタに殴られた」という一言がありますが、これはテディがジョージを殺しかけたことを意味しています。
『シャッターアイランド』を観る
舞台は1954年のアメリカの孤島「シャッターアイランド」。
保安官・テディが相棒・チャックと精神病院の事件の謎を解いていきます。
ラストシーンを鑑賞すれば「もう一回観て伏線をおさらいしたい」「細かいシーンを考察したい」と思う人が多く、SNS上で議論される数々の説が楽しめる点が魅力です。
隔絶された場所で起こる事件「クローズドサークル」がテーマ。
斬新な展開で最後まで目が離せない作品です。
どこが嘘でどこが真実か最後まで見えない、手に汗握るラストシーン
公開日 | 公開日 2010年4月9日 |
監督 | マーティン・スコセッシ |
出演 | レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー |
まとめ
何回も見ても最後まで楽しめる難解映画『シャッターアイランド』の伏線一覧やあらすじを紹介しました。
『シャッターアイランド』は実話ではありませんが史実が随所に混ぜ込まれていて、現実と妄想の境界があやふやに描かれています。
冒頭からラストまで伏線が多く、怖いシーンもありながら噛めば噛むほど味が出る作品と言えるでしょう。
どこまでが妄想で、どこが現実なのか「本当の結末」を考察してみましょう。
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