『崖の上のポニョ』リサの最後のセリフを考察 意味についても解説
少年と人間になりたい魚の子・ポニョの交流を描いた心温まるジブリ映画『崖の上のポニョ』。
明確な答えが示されていない部分が多く、さまざまな考察ができる作品です。
本記事では、疑問を抱いている人も多い、宗介の母親・リサの最後のセリフの意味について解説。
リサが死んだのか死んでないのかや、「リサさんも辛いでしょうね」という言葉についても考察します。
映画がよくわからなかった人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
この記事は『崖の上のポニョ』のネタバレを含みます。
作品の結末に関するヒントを知りたくない人は注意してください。
『崖の上のポニョ』のあらすじ
海辺の街で暮らす少年・宗介はある日、家出してきた魚の子・ポニョと出会います。
絆を育んでいく2人でしたが、ポニョは父によって海に連れ戻されてしまうのでした。
宗介と一緒に生きたいと願ったポニョは、父の魔法を奪い取り、再び人間界を目指します。
ポニョのその行動は、やがて大きな災厄となって宗介たち人間を襲う結果になり…。
少年とポニョの関わりを愛や責任とともに描いた奥深い物語です。
【考察】リサは死んだ? 津波発生後は死後の世界?
津波発生後、リサは死んだのか死んでないのか、描かれているのは死後の世界なのか、観る人によって意見は別れます。
ここでは議論になっているシーンの意味について考察します。
解釈に迷っている人は、ぜひ参考にして自分なりの着地点を見つけてみてください。
生と死のはざまの世界
ポニョの魔力によって、時空に穴が開き、死後の世界と繋がったと考えられます。
つまり、リサやおばあちゃんたちがいるクラゲドームは生と死のはざまの世界といえます。
ちなみにポニョの母・グランマンマーレは公式設定で「海なる母」とされ、海を司る神。
宗介がポニョを愛せないと答えていたら、世界は大洪水で破滅するところでした。
リサたちはまさに生きるか死ぬかの瀬戸際だったと考えられます。
おばあさんたちはなぜ歩ける?
クラゲドームでは、車椅子に乗っていたおばあちゃんたちが自由に歩き回っていました。
なぜおばあちゃんたちは走れるのかいくつか理由を考察できます。
ひとつは、死んだ後とすると、あの世で自由に走れるのではないか。
二つ目は、海の中で浮力を利用して歩けるのではないか。
三つ目は、グランマンマーレの魔法で足が治ったのではないか、と考えられますが、はっきりした答えはわかりません。
リサは死んだ?死んでない?
クラゲドームを死後の世界だと考えると、リサは死んだということに。
しかしポニョの魔力により世界に穴が開き、あの世と現実世界がつながったとする場合は、まだ死んでないでしょう。
ラスト、宗介のキスにより、ポニョが人間になった後、グランマンマーレは「みなさん、世界のほころびは閉じられました」と言いました。
ポニョが人間になったことで開いた穴もふさがって、リサや宗介たちは生きて元の世界に戻ったと考えます。
【考察】「リサさんも辛いでしょうね」の意味は?
おばあさんの「リサさんも辛いでしょうね」はどんな意味があるのでしょうか。
ポニョの命と世界の未来は、5歳の宗介の行動にかかっていました。
宗介がポニョを拒否すると、ポニョは泡になって消え、世界も崩壊してしまいます。
息子の大きな試練を思うと、リサも不安で仕方なかったに違いありません。
そんなリサの気持ちを思いやり、おばあさんは「辛いでしょうね」と言ったのでしょう。
【ラスト】リサの最後のセリフと意味は?
「あなたも!グランマンマーレ!」というリサの最後のセリフの意味が分からなかった人は多いでしょう。
グランマンマーレとは、ポニョの母親の名前です。
この名前が登場するのは作中ではラストのセリフだけなので、意味が分からなくても無理はありません。
「リサ、ありがとう」という言葉に対して、「こちらこそありがとう」という気持ちを返したのでしょう。
母親同士お互い頑張りましょうという意味も込められていたのかもしれません。
ポニョは『人魚姫』から着想?
実は『崖の上のポニョ』は、アンデルセン童話の『人魚姫』から着想を得て作られています。
『人魚姫』は、人間の王子に恋をした人魚姫の悲しい物語です。
人魚姫は王子に愛してもらえなければ死んでしまうという条件付きで、人間の姿を手に入れます。
しかしラストは王子は別の女性を選び、泡となって消えてしまうのでした。
『人魚姫』の悲しいラストをハッピーエンドに変えた物語が、『崖の上のポニョ』だといえます。
『崖の上のポニョ』を楽しもう
『崖の上のポニョ』は、動画配信サービスでは配信されていません。
Amazonや楽天などでDVDを購入すれば、いつでも自宅で物語を楽しめます。
崖の上のポニョ
海の世界から人間の世界にやってきた魚の女の子・ポニョは、ジャムの瓶に引っかかってしまったところを少年・宗介に助けられ、恋をします。
父によって一度は海に連れ戻されたポニョですが、宗介に会いたくて、再び人間の世界を目指しはじめ…。
愛が招いた悲劇と、それを乗り越えていくポニョや宗介、家族をあたたかく描いた物語。
可愛らしい世界観の中にさまざまな意味が込められた、奥深いジブリ作品です。
愛の責任や母の偉大さ、生命の尊さが描かれた心に響くジブリ作品
公開日 | 2008年7月19日 |
監督 | 宮崎駿 |
出演 | 奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子 |
まとめ
『崖の上のポニョ』のリサの最後のセリフの意味を解説し、リサは死んだのか死んでないのかなどの真相などを考察しました。
『崖の上のポニョ』はラストまで視聴者に解釈を委ねる部分が多い物語です。
観る人によって感じ方が変わるからこそ面白い作品だといえるでしょう。
すでに作品を観たことがある人も、もう一度見返せば、また違った考察ができるようになるかもしれません。
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